研究 「600万ドルの男」

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Jackの「とっておき!研究結果」編

6. 日本のヒーロー系との類似点 
一番比較し易いのは、戦隊系ヒーローとライダー系ヒーローでしょう。
まず、戦隊ヒーローに関して言えば、違う点が多いですね。
 その1:人数   
  戦隊系は、3人〜6人。
  「スティーブ」は当然1人で敵に向かって行きました。
 その2:能力
  戦隊系は、グループ系だけあって、分担している場合が多いですね。
  「スティーブ」は当然1人ですから、分担はしていません。
  でも、バイオニックの特殊能力に加えて、宇宙飛行士としてつちかった数々の知識・能力がプラスアルファされて事件解決へと導きます。
 その3:強化術
  戦隊系は、通常、強化スーツの着用によって通常の人間以上の能力を発揮しますね。
  「スティーブ」のバイオニックで引き出される能力は、機械による能力ということになります。
では、ライダー系ヒーローはどうでしょう。現在のライダーは、ベルトが戦隊系の強化スーツと同じ役割を果たしているので強化術の点から言うと、戦隊系と同じ定義になってしまうのですが、初期のライダーは、「スティーブ」と似ている点が多いです。ということで、仮面ライダーJまでと限定して比較してみますと、
 その1:人数
  ライダー系は、1人。ライダーの客演があって複数出演の回があったり、ダブルライダー、V3+ライダーマンという時代もありましたが、基本は1人です。
  そして、「スティーブ」はたまに「ジェミー」の客演はありましたが、やはり基本は当然1人で敵と常に戦っています。
 その2:能力
  ライダー系は頭のいい人が多いですね。大学生とか博士だったり、博士の息子だったりといった感じです。
  「スティーブ」は、特にバックグラウンドはありませんが(本当の父親が空軍に所属してたぐらいでしょうか?)、宇宙飛行士という職業にありました。
 その3:強化術
  ライダー系はJまでは、いずれも全身改造でサイボーグなんですね。
  初期のライダーは、自分が普通の人間ではなくなってしまったことに対して嫌悪感を抱き、悩むというシーンがあるのですが、「スティーブ」も当初は、バイオニック・アレルギーというか自分の新しい体になじめなくって悩むシーンがあり、両者とも同じ問題で悩んでいることがわかります。
  さらに、ライダー系(ストロンガーを除いて)もスティーブも自分からすすんでサイボーグ(バイオニック)になったわけではなく、他人の思惑によって自分の意志とは関係のなしに改造されてしまうという点は全く同じだと言えます。
 その4:孤独感と使命感
 自分の意志とは関係なしに改造されたという点が同じと前述しましたが、この改造によりどちらとも通常の人間ではなくなってしまったということで、孤独感にさいなまれています。そして、たった1人で悪と戦わなくてはならない(もちろん、ライダー系には「おやじさん」が、「スティーブ」には、ゴールドマン部長やDr.ルディがいましたが、前面にたつのはどちらも自分1人です)という使命を背負ってしまいます。

ということで、ライダー系ヒーローとスティーブとは類似点が多いということになります。
さらに付け加えると、バイオニック3部作にて紹介されたバイオニック技術を見ると、既存の肉体組織を強化するというか補助する機能が発達しているので、一種の強化スーツと同じ役割をするとも考えられます。強化スーツ技術は、戦隊系のみならず、最近のライダー系ヒーローにも通じる技術なので、これを肉体組織を強化する技術ととるのであれば(実際クウガとかはまさにこの部類に入る)、図らずも3シリーズが同じ傾向を辿って来ているということが言えると思います。この辺がトレンドなのか、よくわかりません。また、もう1つ言える事は、近年のヒーローものが1人で使命を背負って孤独に戦うという1人ヒーロー系から共同戦線を張って使命を共有する複数系ヒーローに変わりつつあると言う点です。実際、ライダー系ヒーローは、1人ではなくて複数で分散して活躍しているケースが多く、中には同じ能力を持ちながら互いに戦わなければいけないケースまで出てきています。そして、肝心な3部作を見てみると、バイオニック組織移植者として、「マイケル」「ケイト」「アラン」と3人が登場。「マイケル」「ケイト」は、「スティーブ」と「ジェミー」と共同戦線を張って悪の組織と戦っています。で、「アラン」は、逆に悪の「バイオニック」として、「スティーブ」「ジェミー」「ケイト」と戦う立場にあるというように設定されていますね。この点も全く同じ傾向にあります。
これは、Jackの個人的意見ですが、昔の1人ヒーローの方が責任、使命、運命のすべてを1人で背負っていて重みがあり、常に孤独なところが好きですね。現在のヒーローはすべてを分かち合うことができ、団結心を強調できるというメリットはあるのですが、その分1人1人の重みも軽くなっているわけで、1人1人にスポットが当たることが少なくなってしまうわけで、1人1人の描き方が雑というか薄くなってきて、かえってちょっと弱さが強調されてしまうという気がします。

尚、実際「THE SIX MILLION DOLLAR MAN AND BIONIC WOMAN」によると、リー・メジャースは当初「バイオニック・ジェミー」の企画には反対であったとあります。理由は、一般的にはギャラの問題とされていますが、「スティーブ・オースチン」というキャラクターの唯一性、独自性が「ジェミー」の1時間枠への進出によって薄れる、しいてはそれによって両シリーズが最終的には成り立たなくなってしまう可能性があるからとの危惧もあったようです。
Jackの印象では、ジェミーの登場する第2シーズンの後半から確かにバイオニック技術を持った唯一性というキャラクターはなくなってしまい、確かに孤独感、唯一感については、薄れているような気はしています。ただし、ここから逆にジェミーとのダブルバイオニックによるパワーアップ効果が出て、最終的にはリー・メジャースの危惧の1つは杞憂で終わっていますね。結果的には、007張りのアクションの2番煎じから脱却し、コラボレーションによる相乗効果があってシリーズとしては第5シーズンにわたる長期の人気を誇ることになったのは仮面ライダーシリーズと同様と言えると思います。
仮面ライダーにおいても初代ライダーの藤岡さんが撮影中の事故により続行不可能になったとき、初代ライダーのキャラクターを残すかどうかの論争があったらしいのですが、結局のところ、2代目ライダーに初代ライダーを残したまま引き継いだことで、初代ライダーの復帰によるダブルライダー編が生まれる結果になって大ブレイクしていますので全く同じ発展の仕方をたどっていると考えられます。

日・米ともに同じ発展形態をたどってロング・ランになったのは、複数ヒーローによるパワーに視聴者が惹かれたのか、複数ヒーローの存在が唯一性、カリスマ性を薄れさせ、視聴者にキャラクターに対してのより親密な親近感を持たせたのか、根底には成功の要素というものが何かしらあったのではと考えられるのですが、Jackには正確にこれはと決めてかかれる要素が未だに見つけられないんですね。この辺りが自分には永遠の命題なのですが、それだけこのドラマはよく考えると奥が深く作られているということなのでしょう。上から横から斜めから中から外から、このシリーズはいろいろな方向から視点をあてて見直してみるとまた違った趣や新発見があって面白いですよ。
(JackFALLGUY談)

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。

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