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Jackの「ネタばれ!エピソード解説」編

【第3回】 「対決!サイボーグVS国際誘拐シンジケート」(ラス・メイベリー監督)
国際的な誘拐組織から政府の重要人物を救出するスティーブの活躍を描くパイロット版の第3弾。
最初から爆発シーン、アクションシーンが満載でどうなっていくのか非常にわくわくするが、実は全編に渡って、自分は人間であり続けたいと思うスティーブの自論が随所に展開されていて、任務を遂行しながらも時にはその方法、手段に対して否定的な意見をストレートに表現するスティーブがいい。
ゴールドマン部長は、ベルナー博士に副作用が生ずることを察知しながらもギリギリまで本人に教えない、教えようという意見のウェルズ博士を抑えてしまう非情さを見せながら、博士を気遣ってスイスに飛ぶなどそれなりの配慮も見せている。
ジュリアン・ペック役に名脇役ジョン・バーノン。監督にラス・メイベリー。なかなかのスタッフである。

<ストーリーの流れ>
メキシコ救出作戦→パリでキャメロン氏誘拐→コロラドのスキー場のスティーブ→パリの病院→ベルナー博士の研究→スイス→カジノ→伯爵夫人邸→湖のボートチェイス→ぺック捕縛→身代金すりかえ→貨物船潜入→病院のラストシーン

<あらすじ>(ネタバレ注意!)
スティーブ・オースチン大佐は、メキシコの遺跡で大使の救出作戦を実行する。入り口をバイオニックアームで壊し、抜け道を探して国際誘拐組織からまんまとペルー大使の救出奪還に成功。任務を終えたスティーブは、コロラドのスキー場で休暇を満喫していた。一方、大統領顧問キャメロンは、密かに中国首脳との会談を設定。パリの病院にウィルス性肺炎の名目で入院するが、この病院で国際組織に誘拐されてしまう。実は、誘拐計画は国際誘拐組織の一員ロジャーが計画し、実行したのだが、ロジャーを快く思わない仲間のぺックがロジャーを殺害してしまう。スティーブは、コロラドのスキー場でゴールドマンの緊急連絡を受け急遽パリへ飛んだ。パリの病院に着いたスティーブだが、手がかりはロジャーの死体だけ。そこで、ベルナー博士が呼ばれた。ベルナー博士は、他人の記憶がつまった脳細胞を別の人物へ移植し、記憶を共有する研究をしている。ともすれば人間性が失われる研究に反対するスティーブだが実験は強行される。ロジャーの脳細胞を移植し記憶をたどったベルナー博士は、スティーブとスイスへ飛んだ。スイスでぺックの手下に襲われるスティーブだったがそれをかわし、かぎを握る人物「伯爵夫人」を探し当てる。伯爵夫人の誘いに乗って一晩をともにしたスティーブだったが、予想通り襲われる羽目に...。湖のボートチェースを制してホテルに戻ると、ベルナー博士は副作用に悩まされていた。時間がないと伯爵夫人を脅し、ぺックをおびき出すスティーブ。ぺックは車で逃げようとするが、スティーブの捨て身の体当たりで捕まった。時間切れまで3時間。ロジャーの記憶細胞はここで燃え尽きるが、スティーブがぺックの車から発見したマルセイユ港の通行証が決め手となり、貨物船にキャメロンが閉じ込められていることが発覚。身代金も交通手段を替えている間に船ですりかえられていた。スティーブは、身代金をすりかえられた貨物船を発見。単身貨物船に乗り込む。バイオニックパワーを駆使したスティーブの活躍で、キャメロンを無事に救出、国際誘拐組織は崩壊するのであった。

<バイオニックシーン>
・遺跡の入り口を壊す。(右手)
・遺跡の隠し通路をふさぐ石を破壊。(右足)
・ヘリコプターにぶらさがる。(右腕)
・車のドアを蹴破る。(両足)
・スイスのお店のテナントの鉄柱を曲げる。(右腕)
・伯爵夫人のパスポートを見るシーン。(左目)
・ケーブルカーのドアを開ける。(右腕)
・ボートのレバーを壊す。(右腕)
・車のフロントガラスに突っ込む。(右手)
・船の碇を下ろす。(右手)
・船のドアを閉めて悪漢の顔面へ直撃。(右手)
・船内の自動ドアをこじ開ける。(右手)
・銃をくだく。(左足)

<ポイント>
・スティーブの自論
 物事の自然の秩序を科学者はやたらにいじり回すものではない。
 進歩のためなら何でも許されるのかとベルナー博士とウェルズ博士に食い下がっている。
 副作用の発症したベルナー博士に対し、「実験台になることはたとえ成功するにしても楽なことではない」と主張し、人間性を無視した研究に関しては断固反対する姿勢をとっている。バイオニックに関しても一部否定的な見方をしているようだ。
・任務遂行中は上下同じ色の服
 第1話と同様、ラストの盛り上がりに向かう潜入捜査では、上下同じ色の服装。
・ブレスレットとベルト
 リンク編で解説した通り、第3シーズンまで使われる右腕のブレスレットと空軍のマークをかたどったベルトのバックルはこの第3話で初登場。

<情報>
・スティーブの経歴
 宇宙計画全般の顧問。「La Centinela」という新聞に何かの記事が載っているらしい。
・スティーブはギャンブラー?
 ベルナー博士の「17,34,6」というキーワードに対し、すぐさまカジノのルーレットの数字の配置とひらめく辺りは相当なギャンブラーとしか思えない。
・スティーブはフランス語に堪能
 マルセイユ港の通行証を見てゴールドマン部長は何かわからなかったのに、マルセイユ港の通行証と解説できるのはフランス語に堪能ということ。
・その他の演出
 第1話と同様、バイオニックを表現する為のスローモーション、擬音などの手法は使われていない。

<疑問やエラー>
・メキシコなのに「危険」の文字が...。
 最初のシーン。ロジャーのいるテントの横に箱が積みあがっているが、メキシコなのに何故か「危険」の文字が印字されている。
 ちなみに、スティーブが爆破したガソリンのドラム缶には、「Gasolina」の文字が書いてある。
・遺跡を壊していいんだろうか?

 マヤ族の遺跡に関し、隠し通路が北に向いていると知っているスティーブはかなりの博識者だが、そんなスティーブが遺跡を壊していいんだろうか?
・いつの間に着替えたの?
 ベルナー博士が死んだロジャーの細胞を移植してベッドに横になっているシーン。スティーブは、病院到着時は、NASAのジャケットを着ていたのに、この時は何故か黒の背広に白のネクタイに着替えている。何のために、いつの間に着替えたのだろうか?
・伯爵夫人邸でのチョコレートの味は?

 伯爵邸で伯爵夫人と一晩をともにしたスティーブだが、伯爵夫人より早く目を覚まし、暗がりの中で伯爵夫人のパスポートを見つける。
 そこにあったチョコレートをつまむスティーブだが、1個目は味が気に入らなかったようで戻して新しいのを口に入れて出て行く。
 1個目は嫌いな味か?1個目は何味だったのだろう?


注:エピソード番号、題記などは、講談社「Film Fantastic 6」より引用している。

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。

           

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