研究 「600万ドルの男」

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Jackの「とっておき!研究結果」編

10. 西部劇的バイオニック喧嘩作法 

「600万ドルの男」の中で、特に際立って目立つ演出は、スティーブがそのバイオニックの右腕を使っていかに悪者をやっつけるのかという点にあるとJackは思っています。腕っぷしの強い悪人を複数相手に時には相手の武器をよけ、はたまたパンチをよけ、そして最後はお決まりのバイオニックの右腕で相手を倒すときが多いのですが、よく分析するとスティーブの喧嘩作法ってちょっと変わっているとは思いませんか?
ということで、バイオニック喧嘩作法を分析してみることにしました。

(その1)必殺手のひら返し

Jackが勝手に名付けてますが、スティーブは相手を倒す時、だいたい右手は相手に手のひらを見せて相手の胸を押し飛ばすってことが多いですよね。通常の喧嘩であれば、右手を握って握りこぶしでガツンと相手を殴り倒すシーンになるはずですが、スティーブはそうゆう動作はめったにしないです。バイオニックの右腕のパワーを知って自分で力加減を自重しているのか、右手を握ることを封じてそのパワーを封じ、手のひらで相手を押し飛ばすことで相手をわざと殺さずに助けるということをやってのけています。やるかやられるかの場面は西部劇の醍醐味ですが、その要素を交えつつそうゆう切迫した場面で、相手は必要以上に殺さずに相手を気遣うという仕草を見せているところがヒーローである所以でもあります。


(その2)左手の使い方


(第42話)





(第48話)
Jackの推測ですが、元々スティーブ役のリー・メジャースが西部劇出身の俳優であるため、ある程度、西部劇的喧嘩のシーンに慣れているということがこれらのスティーブ式喧嘩作法を生み出したのではと思っています。それが一番に現れているのが、左手の使い方のシーンです。通常、殴り合いのシーンでは、主人公が相手のパンチをよけ隙をついて右アッパーやフックで逆襲というシーンが多いのですが、スティーブの場合は、しばしば相手の右からのパンチをよけず、左腕を立ててこれを封じ、相手の右を封じ込めた直後を見計らって右腕で相手の胸を押したりパンチを繰り出し、相手を弾き飛ばすといったシーンがかなり目立ちます。つまり、普通は相手のパンチを「かわす」ということが主流なのですが、スティーブの場合は、この相手のパンチの「受け」から入る点に西部劇的喧嘩作法を感じさせます。(このシーン、第48話では頻出します。また、リー・メジャースのTVシリーズ初登場作である「バークレー牧場」ではヒース役として同じような喧嘩のシーンが随所に見られます。)


(その3)右手の使い方


(第77話)
基本的には、バイオニックの腕は相手を倒す「攻め」の役割を担っているわけですが、例えば日本未公開の第77話「侵入者」のようにこれまた西部劇にはかかせないナイフ投げをなんとよけずにバイオニックの右腕で見事に受けて見せるスティーブが描かれています。右腕は、「攻め」ではなく「守り」にも使っているシーンがたまにあります。


このように、スティーブ式喧嘩作法というのは、通常の「よける」「かわす」といったテクニックを使った守りの喧嘩作法ではなく、相手の力を「受け止める」、つまり「受け」を主体とした「攻め」の喧嘩作法であり、それは古くからの「西部劇作法」をそのまま現代SFに流用した「スティーブ式バイオニック喧嘩作法」と言うことができるのです。(JackFALLGUY談)

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。

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