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今まで見た映画って何本ぐらいありますか?
昔は、ビデオカタログとかでチェックしたものなんですが、数え切れないくらいあっていつも途中でやめることになっちゃうんですよね。でも、見た映画一本一本って結構愛着があるんです。
ということで、今まで見た映画の小ネタを発表して行きますので、是非、皆さんも、もう一度その映画を見てください。違った視点から楽しめることもあるかと思います。

第1回 「2001年宇宙への旅」の謎を解こう!

この映画は映像が非常に繊細で美しいとは思いましたが、観た後、意味がよくわからない難解な映画だと思いました。謎ばかりですよね。ちょっとピックアップすると...。

Q1:モノリスって何モノ?
Q2:HALコンピュータって何で壊れたの?
Q3:ボーマン船長は、何で老人になって赤ちゃんになったの?

などなど。

答えを書く前に、まずこの映画のテーマですが、ズバリ「進化」ということです。
しかも、「進化」は犠牲や争いの中から生まれるというとてつもないテーマが隠されています。

A1:モノリスは、進化を促す物体(?)です。原始時代にモノリスに触れた猿たちは、道具を使うということを覚えます。そして、それを使って争いを起こした。つまり、「進化」の歴史とは、争いの歴史であり、犠牲を伴うことで進化していくという考え方が源流にあります。
A2:まず、余談ですが、H、A、Lを進化させると何になりますか?答えはI、B、Mです。つまり、HALはIBMを暗示しています。そして、このコンピュータは、壊れたわけではありません。進化したんです。進化のステップとは、争いと犠牲です。ということで、HALはボーマン船長と争って止められるまで、次々と宇宙船の乗組員を殺戮して進化していったと考えることができます。
A3:ボーマン船長ですが、まず進化したHALを止めることで、進化を始めたと言えます。進化=老人というビジュアルで示しているんだと思いますが、これが何故最後赤ちゃんに変化してしまうのか。つまり、犠牲にするものがなくなったボーマン船長は、自分が犠牲になることで、さらに進化しようとしたと考えることができるんですね。

この映画、オープニング曲はかの有名な「ツァラトゥストゥラはかく語りき」です。「ツァラトゥストゥラ」は、ドイツ語で「ゾロアスター」。つまり「ゾロアスター教」が根底にあります。「ゾロアスター教」は、光の神「アフラマツダ」と闇の神「アーリマン」が戦い(これが2001年?)、光の神が勝利するはずなのですが...。最後のボーマン船長の変化した姿はスターチャイルドと呼ばれ光輝いている赤ん坊なんですよね。でも、この赤ん坊は「進化」つまり争いの中で産まれた産物であって、いわば闇の中から生まれた子だと言えます。
スターチャイルドは、光の神「アフラマツダ」の子であるはずが、闇の神「アーリマン」の子といつの間にか摩り替わっていたというオチがついたよく考えると怖い映画だと言えるとも思うんですよね。

自分の結論からすると、テーマは深いし、とても恐ろしい映画と言えると思います。

「2001年宇宙への旅」(2001:A SPACE ODYSSEY)
 タイム・ワーナー 139分
 1968年アメリカ スタンリー・キューブリック監督
 出演:
 キア・デュリア、ゲイリー・ロックウッド、W・シルベスター他

 (尚、余談ですが、「ゲイリー・ロックウッド」って「600万ドルの男」によく登場します。昔の奥さんは「探偵ハート&ハート」で有名な「ステファニー・パワーズ」。)

*本内容はあくまで個人的研究結果です。

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