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江戸から東京へ――
激動の時代を駆け抜けた男と女の愛の行方


明治維新・文明開化という言葉は、すでに私たちからすれば淡いロマンの香りがする歴史の一コマとしか思えませんが、この時代を生きた庶民には、国家が根底から変わってしまったことで、かつてない混乱が支配した明日の見えない不安な時代であったと言われています。
武士という地位がなくなり、法律はめまぐるしく変化する。しかし、人々は懸命に生きていこうとしていました。
今回の明治座錦秋公演「いのち燃ゆるとき・開化のおんなたち」は、そんな時代を背景にした哀しくも優しい、物思う秋にぴったりの舞台です。

ものがたり

江戸から明治になって三年。材木商川越屋茂平は元は旗本の次男坊であったが、武士の世に厭気がさしていた頃、無頼浪人達から川越屋茂左衛門を助けた事が縁で彼の養子となった。腕っぷしが強く義理堅い、何より人としての温かさを忘れない男であった。
ある日、茂平は川へ身投げした女・お篠を助ける。お篠は、最近、ある官吏から強引に妻にと言い寄られているのに加え、旧幕軍に参加し二年余りも音信不通になっていた許婚が戦死したとの報せを受け、生きる希望を失っていた。茂平の親身な励ましと優しさに、お篠は凍てついた心が溶けていくのを感じるのだった。
新しい時代の新しい夢を語りながら、互いに惹かれ合っていく二人。しかし、お篠の許婚がかつての友・永井信一郎であることを知った茂平は、お篠を想う気持ちに変わりはないものの、後ろめたさをぬぐいさることができなかった。
茂平と信一郎。二人は思いがけない形で再会する。信一郎は一年近い牢獄生活に耐え、江戸に戻ってきたのだった。お篠を失い心に深い傷を抱える信一郎に、真実を明かすことができない茂平。果たして茂平とお篠の恋の行方は―――。
二人の恋を中心に、時代の荒波にもまれながらも、自分の生き方を模索し続け、力強く生きていこうとする人々の物語です。


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