江戸時代、各地の大名は一年ごとに領地と江戸を往復する参勤交代を義務づけられていました。
この大名行列は長い鑓の鞘を思い思いの意匠で飾り、それぞれの家を表していたそうです。ですから御鑓は大名家のシンボルとも言えるほど大事なものだったのです。
国元へ向かう播磨若生藩の大名行列に突然ひとりの侍が襲いかかりました。そしてなんと御鑓を奪っていったのです。
この大失態に、鑓奉行の新渡戸勘兵衛は責任をとって切腹をしてしまいました。後を託された物頭の古田寿三郎は、新渡戸の仮通夜を行った寺で住職から先日の侍を見たという話を聞きます。豊後九重藩の行列を見送っていたということで、ゆかりの者のようです。
一方、侍を追っていた黒崎小弥太と今村種三は、一度は剣を交えるのですが果たせず、黒崎がひとり侍を追うことになりました。今村種三が古谷寿三郎の元にに戻ったとき、侍が泊まった宿がわかり、紙問屋の久慈屋昌右衛門という人物が侍と面識のあることまでがわかりました。侍の名前は赤目小藤次。久慈屋の一行が追い剥ぎに襲われたのを助けてくれたのだそうです。
その夜、赤目小藤次を追っていた黒崎小弥太は大胆にも小藤次に声をかけます。今回のことの理由を教えてくれと迫る小弥太の誠実さに小藤次は秘密の一端を明かしたのでした。
小藤次の仕えていた豊後九重藩藩主・久留島道久が小弥太の藩主たちから辱めを受けたのだそうです。強奪した御鑓は、その意趣返しのために衆目の元にさらすというのです。そのようなことが起きれば、お家は取り潰しになってしまいます。
次の日、豊後布杵藩の行列が赤目小藤次に襲われました。家老・村瀬次太夫自らの防戦も空しく御鑓が盗まれてしまったのです。古田寿三郎は、さっそく村瀬次太夫に面会します。今までの経緯から、播磨若生藩、豊後布杵藩と豊後九重藩の共通点は、江戸城の控えの間が同じだと言うこと。次太夫はそれについて思い当たることがありました。布杵藩主・稲森暉通が九重藩主・久留島道久を城を持っていないと嘲笑し、他の藩主たちもそれに同調したため、久留島道久は屈辱に体を震わせていたということがあったのです。
しかしそうなると、同じ控えの間にいた肥前牛津藩の行列も狙われることになり、三家のお家断絶が危ぶまれます。村瀬次太夫と古田寿三郎は、赤目小藤次の企てを阻止するために動き出すのですが……
物語はテンポ良く進み、時代劇ならではの世界をたっぷり堪能できます。
しかも今回は英樹が薙刀を使った立ち回りを披露しますよ!そして水中に倒れ込むという前代未聞のシーンもあります。もちろん刀を使っての立ち回りもありますからファンの皆様納得の作品になっています。
元日の夜はNHK正月時代劇でスカっとしましょうね!
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