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茂七の事件簿・新ふしぎ草子

茂七の事件簿第二弾の「新ふしぎ草紙」、おかげさまで前シリーズ以上に好評をいただきながら終了いたしました。
このページでは、今までに御紹介したものをバックナンバーとしてまとめてあります。
茂七親分の活躍をもう一度お楽しみください。



第一話:かまいたち

「およう」は、父の医者「玄庵」を迎えに出た雨の夜、人が切り殺されるのを目撃します。
役人に知らせて戻ってみると、なぜか斬られて倒れていたはずの侍の姿もなく、争った跡も見当たりません。
この出来事は「かまいたち」の仕業となって、江戸の庶民に不思議がられます。
しかし、はっきりとこの目で見た「およう」には納得がいきません。友達の「お絹」に頼んで、「茂七」に相談をします。
「茂七」も、証拠のない話ですから、信じるわけにもいきませんが、何かひっかかるものがあり、それとなく探り始めました。
そんなとき、「玄庵」のところに治療に来ていた「猪助」という男が、「およう」に理解を示してくれます。何か証拠が残っていないかと二人は現場を探っていたそのとき、どこからか錐のような刃物がおようをかすめ飛んできたのです。かけつけた「茂七」も、これには何かありそうだと確信をしました。
そんなとき、「お絹」が嬉しそうに、「およう」の長屋に、いい男が引っ越してきたから見に行こうと誘います。
なんと、大家さんに紹介されたその男は、確かに雨の日に人を斬った、あの男だったのです。


第二話:落ち葉なしの椎

「江戸時代には、死罪についで重い刑罰に「遠島」がありました。刑期は無期限なのですが、恩赦があった場合には、帰ってくることができたのです。
勢吉、粂次郎、おふさも、その恩赦を受けて御赦免船で戻ってきました。
こんどこそ、まっとうな人生を願って別れたのですが...。

半月ほどして、森下町の小原屋付近で殺人が起こります。
千枚通しのようなもので刺し殺されていた被害者の周囲は、一面の落ち葉。
「ついてねぇなぁ。落ち葉で足跡も残ってねぇや」。茂七の言葉を聞いていた 小原屋の奉公人おしのは、深夜にもかかわらず、一心不乱に落ち葉を掃きだしました。
たしなめようとした茂七におしのは、身の上を語り始めます。
子供の頃に殺された父親も、落ち葉のせいで手がかりが掴めなかった。この落ち葉のせいで父がもう一度殺されてしまうように思われたというのです。

そんなころ、島から帰ってきた勢吉と粂次郎は、おしのの消息をさがしていました。
勢吉は、死んだはずのおしのの父親だというのです。
罪人として裁かれた今となっては、堂々と娘に会うこともできません。
そして、落ち葉を掃除するおしのを見ているおふさは...?。


第三話:鬼子母火

鬼も恐れる茂七親分も、空腹にはかないません。うろうろと台所をあさっていると、茂七を探しに来たおかつに見られてしまいます。
娘のお絹が男を連れてきたとか...。その男とは、お絹の奉公先、浜松屋の若旦那・清太郎です。
心中穏やかでない茂七ですが、目的は、茂七の心配することではなく、「ふしぎ」でした。
知り合いの酒問屋・伊丹屋でボヤが起きました。なぜか神棚から火が出たのですが、火の気は無く原因がわからない。そこで茂七親分に調べてもらえないだろうか。というものでした。

さっそく伊丹屋を訪れる茂七に、番頭の籐兵衛が見てもらいたいものがあると焼け残ったしめ縄を見せます。それには、髪の毛が入っていました。
何か訳がありそうだと、茂七はそれを保存しておくように指示します。

その夜、伊丹屋の奉公人・おうめが失踪し、茂七の妹お京の旅篭に保護されました。
心配する人々に、おうめは、髪の毛のことを話します。
あれは、流行り病で亡くなったおうめの母親のものだと...。神棚なら、みんなが毎日拝んでくれる。供養になると思ったというおうめの言葉に、一同は返す言葉もありませんでした。

しかし、不審火の原因は、まだ謎のままです。茂七は、ひさしぶりに立ち寄った大川端の居酒屋・ひさごで、おさだから重要なヒントをもらいます。


第四話:消えずの行灯

毎度さわがしい江戸下町の暮らしですが、茂七の着物から「おしろい」が出てきたと、おかつとお京は大騒ぎ。「どなたの?」と責められてドギマギしている茂七親分ですが、そんなとき、足袋を商っている「市毛屋」に新しい娘が雇われたという知らせが舞い込んできます。
この店の女将さんは、十年前に大川にかかる永代橋が落ちた事件で、娘のお鈴を失って以来、正気を失っているようで、未だに死んだはずの娘を探しに出てしまうことがあります。
主人の喜兵衛が心配して、お鈴に似た娘を探してきては、そばに置いてくということを続けているのですが、今回は日本橋にいた「おゆう」という娘が雇われたとのこと。
しかし、このおゆう、あまりやる気がないようで、ふてくされた様子がアリアリとしています。
あまり幸せであなかった生い立ちに、人生を斜に見てしまうようになってしまったようです。
茂七は、それとなく気を使い、本所七不思議の話をして、おゆうをはげまします。

本所の七不思議のひとつに、消えずの行灯というのがあります。
昼も夜も消えることなく明かりが灯っている不思議な行灯なのですが、
女将さんにとっての消えずの行灯は、娘のお鈴が生きているということなんだと...。


第五話:師走の客

茂七の子分になって御用を手伝う粂次郎、普段は寺子屋を開いて子供たちに読み書きを教えています。
その生徒に松吉という旅篭・梅屋の息子がいるのですが、この梅屋に、毎年不思議なお客が来るそうです。

毎年暮近くになると、仙台から商いに江戸に出て来るという小間物屋・常二郎という男なのですが、秘密で仙台藩主の注文品も受け取りに来ているというのです。
小さな干支の彫物で、毎年ひとつずつ。十二年かけて全部を揃えるという粋なものなのですが、この常二郎は、内緒でもう一組をあつらえているのだそうです。
そして、この梅屋がたいそう気に入ったとのことで、宿賃を「もう一組」の彫物で支払ってくれます。すでに五個、今年の巳(ヘビ)で六個目。十二支が全部そろえば百両は下らないというお宝になりますから、梅屋の竹蔵とお里はウキウキしながら、毎年暮に来る常二郎を待っていました。

今年も予定通り、巳の彫物ができてきたのですが、これがいつもより大きいのです。
これでは旅篭代というわけにはいかないのですが、竹蔵たちは、どうしても欲しいので、差額の十両を、茂七の知り合いの骨董屋に工面してもらいました。担保は、巳の彫物です。
ようやく夢がつながると喜んだ梅屋の夫婦ですが、喜びもつかの間、次の日、骨董屋から例の彫物が忽然と姿を消してしまったのです。


第六話:紙吹雪

季節は、前回と同じく年の暮れ。身投げがありました。
借金に苦しんだあげく、地回りの取り立てに耐え切れなくなって大川に飛び込んだとのことです。
金貸しの井筒屋が使った地回りは梶屋。あの勝蔵が親分のところだと知った茂七は、怒鳴り込みます。が、当の勝蔵もそんなことがあったとは何も知らず、怒られ損とばかりに井筒屋に乗り込んでいきます。
井筒屋の主人は、二階の隠し部屋から出てきました。金貸しの用心ということですが、勝蔵を見ても平然とし開き直るしたたかさは、只者ではありません。

一方、茂七の家では、手下の糸吉が知り合いの亀三をつれてきました。三年前に行方不明になった従妹・おぎんの行方をさがしてくれないかというもの。
そこへお絹ちゃんが泣きながら帰ってきました。お客さんの仕立てものに針が残っていたというインネンをつけられて、もう浜松屋さんやめる!と大騒ぎ。お客さんは井筒屋と聞いた亀三は、実はおぎんの家も井筒屋と関わりがあったと言い出します。

あまり評判のよろしくない井筒屋と、謎の失踪をしたおぎん。茂七は、娘の不始末を謝るという口実で、井筒屋に向かいます。
茂七が岡っ引きであること、さらに浜松屋の一件とからんでいたことを知ると、井筒屋夫婦は手のひらを返したように丁寧な態度に改まります。
女将が愛想良く奥に向かって「おぎん!お茶だよ!」と声をかけて、出てきた女中は、亀三の探しているおぎんと似た年恰好。

そして数日後、井筒屋の夫婦が何者かに刺し殺されてしまいます。


第七話:寿の毒

お江戸の町は正月に浮かれています。いつもは渋い茂七親分も、ちょっとハメをはずして、若い衆と痛飲したのがアダとなり、見事な二日酔い。お医者の安川先生に薬をもらって、情けなく寝こんでしまいましたが、事件は待ってくれません。
粂次郎が気にかかる話を持ってきます。
知り合いの料理人・吉太郎が、辻屋というお店の宴席料理を請け負ったのですが、数人の具合が悪くなり、翌朝、そのうちの一人、お吉という女が死んでしまったというのです。

このお吉、辻屋の主人・彦助の女房だったのですが、姑との折り合いが悪く、離縁されてしまったといういわくがありました。現在は、小間物屋・いろは屋に嫁いでいたのですが、夫の勘兵衛が言うには、苦しそうだったので、かかりつけの安川先生に診てもらい、薬を飲んで寝たのだが、夜明けに見たら事切れていた。とのことで、特に不審な事はなかったと言います。
しかし、検死に来たお役人は、これは食あたりではない。と言い放ちます。
「これは毒で死んだ。ひっそりと心の臓を止める...この時節柄、福寿草だな。」
縁起物として正月には欠かせない福寿草ですが、実は強い毒があるというのです。
死因に疑問を持っていた茂七も、これは事件だと確信します。

そして、茂七は、事件のからくりを解くために、一計を案じ、粂次郎、糸吉と茂七の家族たちを集めて宴席を設けました。献立は、辻屋の宴と同じ料理を注文して...。


第八話:かどわかし

唐辛子を売り歩いて暮らしている東三が、いつものようにつつましく夕餉の支度をしていると、どこからともなく現れた子供が、「おじさん、おいらをかどわかしちゃくれないかい?」と爆弾発言をします。
子供は、東三も商いで世話になっている浜町の料理屋・辰美屋の一人っ子で、小一郎と名乗り、その辰美屋から百両を取ってくれと言うのです。
なんとか帰ってもらおうとする東三ですが、小一郎のほうが一枚上手で、ここで「かどわかしだぁ」と叫ぶぞ、などと東三を脅迫してきます。人の良い東三は、もうオロオロするばかり。
狭い長屋ですから、耳の早いおかみさん連中はこの異変に気付き、茂七に御注進をしてきます。
ほとほと困り果てていた東三は、頼りになる茂七と一計を案じます。
茂七が「かどわかしの名人」になって、ふたりで小一郎を脅かし、なんとか無事に家に帰すことに成功しました。

しかし、ほっとしたのもつかの間、また小一郎がいなくなりました。
疑われたのは東三ですが、アリバイがあったために、疑いが晴れます。
とはいえ、小一郎の居場所はどこ?
八方に手を尽くして探しているとき、辰美屋に脅迫状が届きます。
「二百両をよこせ」。今度は本当に誘拐されたようです。


第九話:紅(べに)の玉

江戸時代には、今から見るとおかしな法がありました。
贅沢なことをしてはいけないという「奢侈禁止令」もそのひとつです。
この法のために、今で言う彫金を仕事にしている飾り職人たちは、仕事がなく苦しい生活をしていたのです。
粂次郎と同じ長屋に住む飾り職人・左吉とお美代もそのひとりでした。
お美代は心臓が悪いのですが、貧乏な生活では、薬はおろか栄養のあるものを食べることすらままなりません。
「金がほしいなぁ。」と泣きながらつぶやく左吉ですが、ある日、謎の老武士が訪ねてきます。内密の仕事で、紅の玉をかんざしにしてほしいと言い、十五両もの大金を出しました。
不審に思った左吉ですが、「嫁ぐ娘に渡したい」という言葉を信じて依頼を受けることにしました。

見事なかんざしが出来、老武士に渡してから数日後、近所であだ討ち騒ぎがありました。
その目撃者たちの話に、きれいな紅のかんざしをつけた娘と老武士だったとのこと。
どうやら左吉が仕事をした人物だったようです。
奢侈禁止の世で、豪華なかんざしを作ったとわかれば、重い罪になります。
病気のお美代を残してはいけない。一度は死も考えた左吉ですが、すんでのところで粂次郎に止められ、事の次第を知った茂七は、一計を案じます。


第十話:堪忍箱

北風の冷たい節分の頃、お絹の友達のお駒の家、菓子問屋・近江屋が火事になりました。
幸いにも逃げ出せたのですが、祖父・清兵衛は煙にまかれ、母・おつたは、なんとか助けだされたのですが、魂が抜けてしまったかのように寝こんでしまいます。
清兵衛は「堪忍箱」といいながら火の中を徘徊していましたし、おつたは、助け出されたときに、何かの箱を大事そうに持っていました。
どうやらそれが「堪忍箱」というものらしいのですが、これはいったい何?

茂七の所には、火消しの仙太郎が火事についておかしな所があると言ってきました。どうも放火らしい。火元は台所らしいので、犯人は内部の者の可能性が高い。奉公人か?というものでした。どうも事件の匂いがします。

一方、居酒屋のひさごには、怪しい女がおさだに手紙を持ってきます。
どうやら、島抜けをした辰五郎が江戸に戻ってきたようです。
何事か、覚悟を決めたようなおさだ。こちらも気がかりな展開です。

そんなころ、お駒が仮住まいをしている長屋では、騒ぎが持ちあがります。
包丁を持った女が、おつたと女中頭のおしまに「箱を出せ」と詰め寄っていたのです。


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