大正初期、四国で侠客の看板を掲げる「鬼龍院」に、拓と松恵がもらわれてきました。鬼政の異名を持ち、高知一帯で名を知られた鬼龍院一家の長・政五郎ですが、残念なことに四十の声を聞く今でも子宝に恵まれなかったため、子沢山の白井家から拓が養子になったのです。松恵は、拓に「おまけ」としてついた子。要するに口減らしです。現代では考えられないことも、貧しかった時代ではよくあることでした。
しかし、この荒々しい世界に怯えた拓は数日後、逃げ出してしまい、「おまけ」の松恵だけが取り残されるというおかしなことになってしまいました。鬼龍院では、政五郎の正妻・歌と妾のつる、笑若が母屋とは別棟で暮らしています。松恵もこの女たちとともに侠客の世界で生きていくことになりました。
そんなとき、妾のつるが妊娠をしました。もし男子なら二代目です。大喜びの政五郎は、早々と名前を考えながらにやけるほどの親馬鹿ぶりを発揮していました。
月が満ちて生まれたのは女の子。しかし我が子に変わりありません。花子と名づけられた鬼政の実娘は、文字通り蝶よ花よと育てられました。一方、松恵も小学校の教師となりました。そして田辺恭介との出会いが、松恵の心に暖かいものを灯し始めたのです。ともかく、ひとまずは平穏な日々が過ぎていきました。
ある日、政五郎の正妻・歌が寝込みました。松恵が看病をしても熱が下がりません。それどころか医者は歌の病気が伝染病の腸チフスだと告げました。衛生状態の悪い地域に流行し、発病したら40度もの高熱が長期間続いて体力が消耗していきます。そして腸内出血などを起こして3人に2人は死に至ると言われた恐ろしい病気でした。しかも、看病をしていた松恵にも症状が現れたのです。
歌と松恵は「向い家」に隔離されました。死の恐怖に怯えながらの闘病は、歌の心の鎧も溶かしていき、母娘として心が通い合っていきました。歌は還らぬ人となりましたが、その命をもらったのでしょうか、松恵は一命を取りとめることができたのです。
季節はめぐって秋、鬼龍院の仕切りによる芝居興行「八百屋お七」が掛かることになりました。順調に見えた興行ですが、鬼政の宿敵とも言える極道者・荒磯の姿が見えています。隙を見て鬼龍院に取って代わろうという下心がありありと感じられ、油断の出来ない相手です。一方楽屋では、鬼龍院の娘・花子に目をつけた女好きの役者・市川嵐がよからぬことをたくらんでいる様子。
様々な思惑が絡み合う芝居興行は、鬼龍院一家にとっての一大事へとなっていくのです。
激動する時代に抗うかのように昔ながらの侠客の世界を突き進む鬼龍院の男たちと、それに翻弄される女たち。
しかしどんな時代でも変わらないものは家族の情です。様々な愛の形が心を打つ作品に仕上がりました。 もちろん英樹演じる鬼政の壮絶な生き様は圧巻です!平成版鬼政の勇姿をお見逃しなく!。
さて、お約束の撮影風景をいくつかご紹介。今回もプロフェッショナルの皆さんが大集合でしたよ!
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何かを思う鬼政親分。迫力ありますね。 |
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刀の持ち方一つとっても極道と侍じゃあ全然違うんだそうですよ。コレも見所かも。 |
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人力車に乗ってどこへ行くんでしょうね?ちょっと帽子もステキじゃないですか! |
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撮影の準備待ちです。今年の春は寒かったですからね。 |
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撮影前には毎回刺青を描いてもらいます。時間掛かるけど、さすが迫力満点ですね。 |
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ええっ!血まみれの英樹!?このドラマでは今までになかった壮絶な英樹が見られますよ!ファンなら絶対見逃さないで! |
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