夏本番を控えた7月16日、大銀座落語蔡の千秋楽の日、博品館劇場・第二部での演目は、英樹と林家木久蔵さんの対談「時代劇裏話」なのです。
前日まで吹き荒れていた台風も見事に去り、晴れ間も少し覗くお天気は、さすが「晴れ男・英樹」ですね。ご本人は「あたりまえだよ」なんて澄ましていますが、いつもよりご機嫌がよろしい...。お客様が雨にぬれずに楽に来ていただけるのが嬉しかったようです。
定刻どおり楽屋に入り、この前観た映画の話で盛り上がっていましたが、スタッフは少々心配そう...「だって、台本とか、何もないんですよぉ...」ところが英樹は「うん、いいのいいの。そういうのが無いほうが面白くできるからさっ」「いえ、そうじゃなくて、何もないと英樹さんはいつまででも話してるから、時間通りに終わってくださいよ。そっちのほうが心配なんです!」「そうそう!明日まで話してようか!わっはっは!」...すでに本番みたいに賑やかな英樹部屋でした。
そんなときに木久蔵師匠がいらっしゃいました。芸暦40年を超える大御所ですが、とても和やかな雰囲気、江戸時代の空気を纏っているようで、大変魅力的な方です。
ここでいよいよ大御所ふたりの綿密な打ち合わせが始まるのか?と思いきや...「で、打ち合わせですが...いらないですよね」「ええ、いりませんね」という数秒で終了。
すでに大喜利ですかっ!
しかし、本番が始まるとピッタリ合ったふたりの掛け合いにお客様は大爆笑の渦。
鞍馬天狗を演じたときの苦労話や失敗談、殺陣と剣道の違い、若手だったころの苦労話から、先輩に初めて時代劇をほめてもらったときの嬉しかったことなどなど...。
もちろん裏話も満載で、
「英樹さんは殺陣のときに、相手に刀を当てないんですよね、ギリギリのところで当てない。」
「そうですね、でもね、遠慮なくポカポカ当てるというか撲る大御所がいるんですよ、○○さんとか」
「うわぁ」
などと、ここでしか聞けないお話が次から次へと出てきて、あっという間に時間がたってしまいました。なるほど、打ち合わせなんて野暮なことだったんですね。
喜んでもらえてよかった。来ていただいたお客様はもちろん、もっと若い人たちにも時代劇や落語の面白さを味わってほしいね。と言う英樹。また時代劇でテレビに登場してほしいものですね。
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