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十津川警部

遅い春の気配がする5月末の札幌地方裁判所で、保険金殺人事件の一審判決が言い渡されました。
被告は福沢美登里。殺害された夫の明夫には1億円の保険が掛けられていたことからマスコミの注目を集めていたのです。
 そして下された判決は「無罪」。騒然とするマスコミ陣とは対照的に、傍聴していた明夫の姉・小野木由美は安堵のため息をついたのです。
 二週間後の6月14日。札幌の墓地には美登里と由美の姿がありました。
事件は解決していないのですが、明夫の納骨も終わり、美登里の無罪も決まったことで由美は東京に戻ることにしました。午後4時12分のカシオペアで、美登里に見送られて札幌を発った由美でしたが、翌日の午前9時25分に上野に到着したとき、由美の胸にはナイフが突き刺さって死亡していたのです。

 車両基地に移されたカシオペアに十津川たち捜査一課が到着し、現場検証を始めました。
不審な人物の目撃もなく凶器のナイフに指紋は残されていませんでしたが、腕時計のガラスが割れており9時42分を指して止まっていました。犯行の行われた時刻なのでしょうか?そしてバッグの中にあった名刺から、由美は大手アパレル会社の社長であったことがわかったのです。
 その会社『株式会社シャムスタイル』で十津川と亀井を迎えたのは、副社長の矢野豊という男でした。事件の手がかりになる情報は持っていないようでしたが、札幌で死亡した福沢明夫は由美の異母姉弟だというが判明したのです。
 由美の50億円はあるといわれる遺産の相続権がある姪の土橋かおるはタレントでした。由美にお金を無心していたということでしたが、事件当日は川村活人という恋人と過ごしていたと証言しました。
 2年前に由美と離婚したと元夫の山本功は、雑居ビルの一室に『山本トレンド商事』というネット通販会社を営んでいました。事件のあった昨日は自宅にいて、今日は気晴らしに『スーパーひたち』で故郷の水戸に出かけていたと言います。
 十津川は矢野と土橋かおる、それに山本の3人が気になっていました。が、思い込みは禁物です。他に由美に殺意を持つ人物がいないか?十津川たちは気を引き締めて捜査を再開しました。

 数日後の6月22日、恐ろしいことが起こりました。午前9時に上野を出発したいわき行き『スーパーひたち11号』の車内で副社長の矢野が腹部から血を流して死んでいたのです。
 凶器は発見されず、所持品にも手がかりはなく、切符も上野駅の入場券だけ。目的も行き先も不明です。
 由美と矢野の事件は偶然とは思えない。十津川の表情が険しくなりました。

 この事件は単純ではない。と気を引き締めた捜査一課ですが、さらに謎が増えてしまいます。由美の元夫・山本が奇妙な行動をとっていました。矢野が殺された日の朝9時に、山本は『カシオペア』に乗っていたと言うのです。
元・妻の事件を自分なりに調べてみたいと思っての行動だというのですが、二つの事件が起こったときに、いつも列車に乗っていたというのは不可解です。
 『カシオペア』と『スーパーひたち』。山本と二つの列車が事件に関係しているのか?
事件が混迷の度を深めていく中、驚くことが起こりました。由美の顧問弁護士が遺言状を持っており、関係者に内容を発表するというのです。
 由美の顧問弁護士・近藤文博の事務所には十津川と亀井、由美の姪・土橋かおる、さらに山本功までがいました。
遺言状の内容も予想外でした。50億円の遺産のうち、かおるに5億円、山本に3千万円を遺贈し、残りをすべて福沢美登里に遺贈するというのです。
 納得できない表情の山本と激高するかおる。十津川と亀井もさすがに驚きを隠せません。
『これはひょっとしたら今回の事件と関係あるかもしれない』十津川と亀井は近藤弁護士を追って美登里の住む札幌に向かったのです。

 謎が謎を呼ぶ事件は、さらに犠牲者を増やしていくのです。そして十津川たちが掴んだ事件の真相は??
 今回も様々な列車を使ったドキドキの展開でトラベルミステリーの醍醐味を満喫できる仕上がりになっています。十津川警部の名推理をぜひご堪能ください。

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