多忙を極める十津川警部率いる捜査一課ですが、久しぶりの休暇がとれました。皆思い思いの休日を楽しもうとしています。
十津川夫妻は念願の新潟旅行に出かけようと家を出たのですが、事件が起こってしまいました。
江戸川岸で殺人事件が起こってしまったのです。被害者は原田由紀という25歳の女性です。刃物による刺殺ですが財布などはそのままで強盗ではない様子です。彼女の所持品には浅草から鬼怒川・会津若松への切符と宿泊先のメモ、それに十津川の名刺があったのです。
本多捜査一課課長の指令で急遽現場に向かった十津川ですが、この女性に面識はありません。
残された切符の通りに行動すれば何か手掛かりがつかめるかもしれない。十津川は浅草から12時発の鬼怒川温泉行きの「特急スペーシアきぬ」に乗り込みました。
列車は定刻どおりに浅草駅を出発しました。由紀の死亡を知っているのか?隣は空席のままです。そのとき十津川の携帯電話に着信がありました。公衆電話からの発信された電話は、十津川が列車に乗ったことを確認して一方的に切れてしまいました。少なくとも事件に関わる誰かが動いているようです。
鬼怒川温泉駅で乗り換え、会津若松に到着した十津川は、メモにあった猪苗代温泉のホテルに到着しました。しかし原田由紀は予約名簿に無いといいます。まだチェックインしていないのは田中祐介という川崎市からの人物だけです。彼が由紀の同伴者なのでしょうか?
東京の亀井刑事からは原田由紀の働いている店の誰もが旅行に出る予定など聞いていないという報告も入ってきました。そして西本刑事が田中祐介の自宅周辺を探ったのですが、由紀との接点はつかめませんでした。
十津川は遅めの夕食を摂りに入った店で川合ひろみという女性に声をかけられます。趣味で鉄道写真を撮っているというのですが......
結局田中祐介はホテルに現れませんでしたが、翌日に新潟のホテルへの宿泊予約が入っているという報告が入り、十津川は猪苗代温泉で一泊することになりました。
部屋に入った十津川にまたもや公衆電話から着信がありました。今晩10時に猪苗代湖の天神浜に来て欲しいというのです。しかし、指定時刻になっても誰も来ません。肩透かしをくらった体の十津川。しかしそれを遠くから見ている人影がありました。
翌日、新潟に向かう列車で、またもや川合ひろみが声をかけてきます。目的地は同じ新潟とのこと。
その頃、昨夜十津川がいた天神浜で死体が発見されました。殺されたのは世田谷区に住む小坂井恵子という女性で、あろうことか携帯電話に十津川の自宅に発信した履歴が残されていたのです。
新潟の岩室駅に着いた十津川は目的のホテルに到着します。田中祐介のチェックインを待つ間に、ひとりで新潟旅行に行ってしまった妻の直子と落ち合うことが出来ました。ご機嫌な直子にほっとする十津川ですが、事件の捜査はなかなか進展しません。
しかも田中祐介のチェックインを待っていたときに大変なことが起こります。福島県警の広田刑事が十津川を小坂井恵子殺人容疑で拘束しに来たのです。なんと川合ひろみが広田刑事に連絡を取っていました。彼女はなぜ十津川を落としいれようとしたのか?そして事件の真相は......?
福島から新潟へと広がる事件の波は十津川の殺人容疑とともに混乱していきます。しかしその裏には悲しくも美しい愛のカタチがかくされていたのです。そして十津川以下捜査一課の懸命な働きで暴き出された真犯人に隠された秘密とは!?
西村京太郎トラベルミステリーならではの展開の速さと意表をつくストーリーで今回も時間のたつのを忘れる面白さに仕上がっています。
特急スペーシアを始めローカル鉄道のユニークなラッピング車両など、鉄道ファンの皆様へのサービスも満載の十津川警部第61作。ぜひお楽しみください。
収録風景をちょっとご紹介
いつもステキな風景や楽しい列車の旅で楽しませてくれるトラベルミステリーの撮影風景を一部ご紹介します。カメラの後ろにはたくさんのスタッフがいるんですよ。
| 日光市の新藤原駅にて監督と打ち合わせ中。 後ろにいる皆さんが撮影スタッフです。 |
| そして車内のシーンを撮影。 お客様の迷惑にならないように行動するのがプロなんです。 |
| こちらは上越新幹線です。 英樹の横はもちろん相棒のカメさんこと亀井刑事を演じる高田純次さんです。 |
| おなじみの海岸シーンで高田さんと打ち合わせ中です。 このコンビもすっかり馴染んできましたね。 |
| クライマックスはやっぱり北の海じゃないとね! 真冬の海岸は寒いんですよ〜!でも良い映像を撮るためには頑張るしかないっ! |
|