十津川率いる捜査一課の松山刑事は、殺人事件の調査で宇都宮に出張をしていました。
その帰り、東北新幹線で偶然にも幼なじみの矢代圭子と再会します。
思い出話に花が咲き、懐かしくも楽しい時間を過ごすことができた松山刑事でしたが、事件の調査は難航していました。
被害者は世田谷に住む蘭カオルという歌手で、黒いロープで首を絞められていました。本名は柴田薫。父親の秀夫は、歌手として人気が出始めたのに……と悲しみに暮れていました。
一方、松山刑事と再会した矢代圭子は、雑誌社の仕事で取材のためカメラマンと一緒に東北に出張をすることになりました。
圭子たちと同じ新幹線に、女優の小池祐子が乗っていたのですが、翌日、仙台市内で死体となって発見されたのです。
しかも首には黒いロープが巻き付いていました。
薫と同じ犯人である可能性が極めて高い事件に、十津川たちは急遽仙台へ向かったのです。
祐子を迎えに来たのは、音楽事務所の藤沢時彦でした。身寄りの無い祐子の保護者という以上に特別な関係がありそうです。
そして時彦は妻・静江と離婚寸前だといいます。しかも矢代圭子の証言から、静江は、圭子と殺された祐子の乗っていた新幹線のいたホームにいたことがわかりました。状況からも、犯行の動機があると考えられます。
しかし最初に殺された柴田薫との関係がないのです。この二人をつなぐものは何があるのでしょうか?
そんなとき、西本刑事から情報が入りました。
テレビ局のプロデューサー・倉田功が、薫と付き合おうとしたが拒否され、恨みに思っているというのです。
静江と倉田、二人に動機があってもおかしくありません。しかし、祐子が殺害されたとき、静江にはアリバイがあり、薫の時に倉田にはアリバイがありました。
それなら…二人が共謀して交換殺人を行ったら…?
犯行は可能に思えます。捜査一課が色めき立ちました。
しかし、第三の殺人事件が起こってしまったのです。
しかも首には黒いロープがまきついていました。
交換殺人ではないのでしょうか?そして十津川たち捜査一課は事件の真相にたどりつくことができるのでしょうか?
この続きはテレビで!十津川警部シリーズ58番目のミステリー、ご期待ください。
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