大きな事件が解決した捜査一課、和やかに打ち上げをしている面々ですが、十津川は、楽しみにしていた妻・直子との「みちのく温泉旅行」に行けなかったとちょっと残念そうです。一方、一人旅を満喫している直子は、水戸で若者たちと出会います。
八代誠・由紀夫妻、阿部豊・みどり夫妻、原田健二と婚約者の加藤敬子の6人組は、敬子を除く5人が大学時代の友人たち、豊が新人文学賞を取ったのを記念して8年ぶりに集まり、旧交を温める温泉旅行をしているとのこと。いつしか直子もそんな楽しげな若者の輪の中に入っていました。
一行は今日の旅程である水戸からローカル鉄道・水郡線で郡山へ、そして飯坂温泉までの道行を堪能していました。しかし途中の福島駅で、由紀が田村明人を見たと言い出します。田村も彼らの仲間だったのですが、今回は欠席とのこと、人違いではないかと気に留めない仲間たちなのですが、先日、田村は由紀に多額の金を貸してほしいという電話をかけてきたというのです。それを断ったことで恨みを買ってしまったのかと不安げな由紀。
温泉で気分転換をしてくると出て行ったのですが、そのまま行方不明になり、なんと死体で発見されてしまったのです。直子の連絡を受け急いで福島に飛ぶ十津川。福島県警から協力要請を受けた十津川たち捜査一課は、田村の捜索を開始しました。
そのころ、八代を除いた原田と阿部たち4人は、予定通り旅行を続けていました。
新幹線で仙台、そこから仙山線で愛子、さらにバスを使って秋保温泉までの旅行には、十津川も同行していたのですが、秋保温泉近くの渓谷で田村らしい人影を見ます。さらに観光用のノートに田村の署名が..。これは何かのメッセージなのでしょうか?
不安を紛らわすためにコンパニオンを呼んで騒ぐ原田たち。しかし、調子に乗って深夜の街に繰り出した原田が川沿いで死体になって発見されました。
そして翌日、あろうことか田村まで死体となって発見されたのです。
連続して3人もの犠牲者を出してしまい、かつての仲間たちもお互いを疑うようになってしまいます。そして振り出しに戻ったかのような状況の謎を解くため、十津川は亀井刑事とともに水戸に向かいます。
8年前、仲間たちの間に何かがあったのではないか?そしてこの事件には巧妙に仕組まれたトリックがあるのではないか?
十津川の推理が冴え渡り、ついに解き明かされた時刻表トリックとは?そして青春をともに過ごした仲間たちの愛と憎しみの過去とは?
東北、みちのくを舞台にしたミステリー、十津川警部の活躍をお楽しみください。
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