まだ寒さの残るある日、十津川の管轄内で、水死体が発見されました。
原田京介というフランス料理店のオーナーで、金融業者と融資の話しを進めていたと言います。原田と金融業者の仲立ちをしたのは、銀座でホステスをする戸塚由美という女性。事情聴取のため由美のマンションを訪ねた十津川たちですが、由美はすでに部屋を引き払っていました。
そして部屋の壁には「追いかけてきたら殺してやる」というメッセージが...。捜査は由美の故郷・秋田へと広がります。
由美は過去に結婚をしていましたが夫が借金をして蒸発したため水商売をするようになったといいます。元夫の名前は島崎功といい、由美と別れた後サギで逮捕され、刑務所に服役。出所後は、私立探偵のようなことをしていたが、現在は何をしているのかハッキリしないようです。
十津川は島崎に会いますが、彼のアリバイは成立しており、一応はシロのようです。
一方、由美の乗った新幹線「こまち」が仙台に到着すると、不審な男が乗車してきました。タレントの中山弘史です。由美が銀座でホステスをしていた頃の馴染客だったようで、由美の実家である角館の扇旅館までついてきたのです。
夕方、中山は外出。さらに由美も人目を避けるように外出をします。
次の朝、中山の死体が発見されました。疑惑は当然のごとく由美に向けられますが、犯行を否定する由美。
事情聴取をした十津川は由美が何かを隠し怯えていることを感じ取ります。
その日、扇旅館に由美の元夫・島崎が訪れます。宿泊を断る由美に、島崎は捨て台詞を残して去って行きました。そして翌日、この島崎も死体で発見されてしまうのです。
由美に関わった人物が相次いで殺されて行く...。嫌疑をかけられた由美のアリバイを証明してくれたのは、扇旅館に宿泊していた議員の柏木紀夫の妻・めぐみでした。
謎の書置きを残して、逃げるように秋田に戻った由美、それを追うように由美の元に現れる男たちは、次々に謎の死を遂げて行きます。そしてなぜか由美を助けた柏木めぐみ...。
事件は謎を深めながら展開して行きます。そして由美ですら知らなかった悲しい過去の出来事と結末が!
まだ雪の残る東北・秋田を舞台にした母と子の悲しい現実に、十津川警部は怒りの拳を振り上げます。
大好評の十津川警部シリーズ第46話。素敵な秋田の景色や新幹線の映像と共にじっくりとお楽しみ下さい。
東京は桜も散った4月下旬ですが、秋田の春はもう少し先のようです。
十津川警部のロケは、まだ雪の残る秋田で行われました。写真を撮ったのは、おなじみ英樹の付き人&小林刑事役で出演している佐藤正浩です。
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