二年ごとに赴任先が変わり、日本中を渡り歩く地方検事・近松茂道が今回赴任したのは、岡山地方検察局です。
　美しい瀬戸内海を眺めながら、藤森明子事務官とサイクリングを楽しむ近松でしたが、途中の下津井漁港で岡山県警の水野健史警部たちに出会います。

　一週間ほど前に起こった芦田秀則の殺人事件で、妻の弟である寺崎一雄に嫌疑がかかり、事情聴取のために同行を求めに来たのですが、一雄は逃走をしてしまい、町は騒然となってしまいました。幸い、すぐに一雄は取り押さえられたのですが、一雄も彼の母親・民子も、無実を主張していました。

　藤森事務官によると、芦田秀則が殺された直後、発見者の妻・景子の顔には夫から暴力行為を受けたと思われるアザが残っていたとのことで、DVの被害にあっており、それを知った兄の一雄が犯行に及んだのではないかというのです。
　後日、寺崎一雄が犯行を自供したとの知らせが入りました。一件落着かと思えたのですが、担当の細見検事が転んで怪我をしてしまい職務が出来なくなってしまったのです。

　代わり近松が事件の担当になりました。慎重の上にも慎重を重ねるのがポリシーの近松は、徹夜で事件の資料を最初から詳しく読み込んでいくのでした。
　そして事件の関係者たちにも直接会って話を聞くという徹底ぶりに、始めは呆れ顔だった藤森事務官もその熱心さに打たれ、徐々に協力的になっていったのです。

　寺崎景子の勤務先で話を聞いていた時、仕事の打ち合わせに来ていた瀬川晋が、事件の当日、しかも、犯行時刻と同じ頃に岡山城で寺崎一雄を見かけたと言い出したのです。近松たちはすぐに岡山城に向かい検証を行いました。
　瀬川が見たという天守閣の望遠鏡から、一雄の立っていた所にスタンバイした藤森事務官の姿がはっきりと見えます。これで一雄自身が証言をすれば無実になるのですが、当の本人は自分がやったと頑なに言い張るのです。

　なぜ一雄は自分を犯人にしたがるのか？そして様々な手掛かりから近松が導き出した真実とは！？
　美しい瀬戸内海の風景とともに繰り広げられる兄妹の切ない物語が胸を打つ、近松検事シリーズ１３話、風薫る5月1日に放送です！
　そして、英樹について頑張っている木崎浩之も水野警部の父・水野伸治役で出演していますので、こちらもご贔屓のほどお願いいたします。大人気！水曜ミステリー９．ぜひともお見逃しなく！