東京にある石塚総合病院では、最近手術後の患者が死亡してしまう事故が立て続けに二件起きてしまいました。
悪い評判が広がってしまうと病院の存続さえも危なくなります。
　院長の石塚富士夫は、起死回生の手段として、凄腕の医師を雇いマスコミが注目するほどの実績を作り出そうとします。 選ばれたのが桧山冬実でした。冬実は、過去に起こった不幸な事件の影響で地方の病院を転々としていたのですが、石塚院長直々のスカウトもあって心機一転、東京に戻って再起をはかることにしたのです。

冬実が担当する患者はサッカーチーム・品川サイクロンズの中川浩介というマスコミも注目する人気選手です。この患者の治療が成功すれば、病院の評判は高くなりますから是が非でも成功したいのです。 もちろん冬実にとっても、設備の整った中央の病院で思う存分に活躍できるのは魅力的です。
　冬実の所属する脳外科には、二人の女医がいました。冬実に匹敵する技術を持つ白石由紀と、実績をつけて執刀医の地位を狙っている太田理沙子です。どちらも中川浩介の手術を行って実績をつけたいという野心を持っていたのですが、冬実の登場でそれができなくなってしまいました。
　それに加えて、中川浩介を担当している医療コーディネーターの美原千景の元に謎のFAXが届いたのです。
中川浩介の治療に関わるスタッフに宛てたもので、最近病院に起こった手術後の患者の死亡を病院は隠していること、執刀医は白石由紀だという意味深な内容が書かれている怪文書です。

不穏な空気を感じつつ、浩介のオペの準備をする冬実でしたが、石塚院長宅に招待された帰り道、階段で何者かに突き落とされ、左手を負傷してしまうアクシデントが起こりました。脳外科の手術では、繊細な作業を行う必要があるため、手の負傷は失敗の危険が高まります。
　石塚院長は急遽メンバーを変更し、白石由紀を執刀医に、冬実を助手に変更してオペに臨ませます。
しかし、オペの最中に、執刀中の由紀が突然昏倒してしまいます。
この難局を冬実は超絶的な技術で見事乗り切り、中川浩介と由紀の二人の命を救ったのです。
院長はじめ関係者は大喜びでした……しかし、悲劇はここから始まったのです！

医学の最先端で活躍する美人外科医たちと大病院の運営に心血を注ぐ院長、その影でうごめく不気味な影……医療サスペンスの醍醐味を存分に堪能できる金曜プレステージ特別編をぜひお楽しみください！