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特命おばさん検事花村絢乃の事件ファイル

花村絢乃は、バツイチ、出戻りの主婦です。
 数千万円の借金を作ってしまった夫に愛想を尽かせて離婚、パートなどをしながら娘と二人で慎ましく暮らしていたのですが、亡くなった父親の遺言で検事を始めることになってしまいました。
 世話をしたのは亡父の古くからの友人、高橋英樹が演じる東京地方検察庁の検事正・岡田幸喜です。父親は生前から絢乃に何かを感じていたらしく、彼女が検事になるための条件をクリアさせていました。このため、岡田が特別に検事に任命することが出来たのです。

とはいえ、検事とはどんなことをするのか?基本すら怪しい絢乃です。上司になった刑事一課の須田部長は事務官の宇治谷にこっそりと、絢乃が自分から辞職するようにならないかと無理難題を押し付けたりもします。
 そんなことは露ほども知らない絢乃は好奇心いっぱいで新しい世界を楽しんでいました。偶然見つけた直告受理室で有沢検事と出会います。ここは様々な人たちから送られてきた告発状を保管している場所で、普通は検事はめったに訪れない場所なのです。
 絢乃は有沢の靴下が左右違っていることを目ざとく見つけ、成績の上がらない新人検察官だと決め付けて主婦ならではの世話焼きをします。これを見た宇治谷は驚きまくりです。有沢は落ちこぼれなどとんでもない、岡田検事正と共に大物政治家の不正を追及している将来有望な超エリートだったのです。
 当の有沢は、絢乃のおせっかいを嫌がる風でもなく和やかに話をしているのですが、自分も気付かなかった靴下の違いを一瞬で見抜いた観察眼に興味を持ったようです。

周囲から見れば冷や汗ものの絢乃の行動ですが、本人はやる気満々です。宇治谷事務官の心配をヨソに初担当の仕事が決まりました。戸田ツトムという未成年の男が自宅の立ち退きを迫った不動産屋の社長を殺害したというものです。
 勇んで仕事に取り掛かったのですが、新米検事の悲しさでうまく進めることが出来ません。しかも絢乃はツトムを告訴することを求められているのですが、犯行を否認しているツトムのほうが正しいように思えてきたのです。
 悩んでしまった絢乃に有沢が助言をします。一番大切なのは、真実を見つけ出すこと。
元気を取り戻した絢乃は、事件の真実をさぐりはじめるのですが、これが岡田と有沢の追っている大きな事件とつながっていくのです。

 今回は、絢乃たちが繰り広げるドタバタシーンと英樹演じる岡田たちのシリアスシーンの両方が楽しめる楽しい作品になっています。コミカルだけどハラハラもいっぱいの水曜ミステリーをぜひご家族でお楽しみください。

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