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 2003年度一般旅行業務取扱主任者試験合格体験記
 とある掲示板で取り上げられたとおり、2003年度に一夜漬けで上記の資格を取ってしまいました。今後の受験者の参考になるかどうか、その体験を記します。

(1)経緯

 以前から旅行が好きであったため、この国家資格に十数年前から興味があったものの、毎年一度の出願のチャンスを逃し続けて今年に至りました。そこで、今度こそとにかく試験だけは受けてみようと、2003年4月頃に社団法人日本旅行業協会(http://www.jata-net.or.jp/)の公式サイトをチェックし、手帳等に予想出願時期をメモし、まずは無事に初めての受験申込をすることができました。

 その後、書店で問題集を二冊購入し、出題範囲の学習をしようとしたものの、仕事や私事で所用が重なり、ついに前日まで無対策で来てしまったもの。しかし、その晩から猛勉強を始め、試験当日の朝や昼休みも問題集にかじりついた結果、奇跡的にも合格してしまいました。

(2)試験前日の試験対策

 事前に購入しておいた問題集は、近所の大きめの書店で各社のものを比較検討した結果、トラベルジャーナルの「テーマ別問題集」と「過去問題と解答」を選択しました。当初の計画では、まず「テーマ別問題集」を全部こなして、次に「過去問題と解答」をすべて解いて、必要に応じて他の問題集や模擬試験を書店での立ち読みでやってみようと考えていたものの、それができなかったのは前述のとおり。

 試験前日の晩に、まずは2002年度の試験を解いてみました。結果は法令4割・約款4割・国内8割・海外2割の出来。合格ラインは各60〜65%と言われているようですので、国内は合格圏、それ以外の3分野で不合格圏なのでしょう。

 そこで、国内の勉強は不要、海外のうち地誌に関する出題は半日で学習するのは無理、英語はなんとかなるだろうと判断、海外の航空運賃計算問題での全問正解を目指し、法令・約款と海外のその他の分野で少しでも点数の上積みを図ろうと考えました。

 その晩は「テーマ別問題集」で、航空運賃問題を全部解き、法令・約款と海外のその他の分野について「重要ポイント」の箇条書きを読んで、そして就寝。

(3)試験当日の試験対策

 試験は、午前に法令・約款、午後に国内・海外の試験があるということで、起床時から午前試験開始前までは法令・約款だけの勉強をと、「テーマ別問題集」の法令・約款の「重要ポイント」や設問を、「テーマ別問題集」で過去3年分までの設問と解答をとにかく読み続けました。試験会場最寄り駅と試験会場の間で配布されていた、LEC・大原・トラベルジャーナルの直前対策チラシも数度は読み返したはず。

 試験はすべてマークシート方式四択問題。正解を知らない・覚えていない設問はいくら考えても無駄なので、午前中の試験は早めに切り上げてさっさと退出、午後の試験に備えます。午前中の試験の終了までは机がなかったので、「テーマ別問題集」で英語と航空運賃を除く海外分野の「重要ポイント」や設問を読み返し、午前中の試験が終了して自席に戻ってからは海外運賃一本槍。2000年度までの過去問をこなしたところでタイプアップ、午後の試験に臨みました。

(4)結果

 試験当日の自己採点の結果は、得点で法令約7割・約款ぴったり6割・国内約8割・海外約7割と、約款の出来が不安なものの海外は予想以上の出来で、合格の可能性が見えてきました。試験が終わってしまえばあとは結果を待つばかりですから、果報を一月半ほど寝て待ったところ。

(5)考察

 私の場合は、百回を超える国内旅行の経験と、時刻表博士レベルのJR運賃制度の把握度により、四分野のうち国内の勉強が全く不要であったことが有利に働いたのは明らかです。特にJRの運賃制度は、試験に出題される範囲内においては確実に海外の航空運賃制度より難解ですから、この分野で勉強が必要な方に一夜漬けのアドバイスはできません。

 法令・約款については、各種の参考書や問題集に書かれているとおり、出題範囲が限られていますから、時間をかけて学習することにより満点も狙えると思います。学習に時間が割けない場合にも、日数や金額は丸暗記するしかありませんが、そうでない設問は旅行者の立場に立って考えれば、そして旅行業法の第一条に記される法律の趣旨に則れば、4つの選択肢の中で明らかにその設問の正答とするには不適切なものが、2〜3個は見つかるのではと思いました。

(参考:2003年11月現在の旅行業法第一条)
 この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することにより、旅行業等務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。

 海外のうち航空運賃計算問題は、完璧な理解を目指すのは気が遠くなる作業だと思いますが、とりあえず試験で出題される設問をこなすことを目指すのであれば、3年分程度の過去問プラス問題集でのトレーニングで、コツをつかむことができるのではないでしょうか。地誌は日頃から海外の観光地に書面や体験で親しんでおくしかなく、英語も同様だと思いますが、その他の分野については法令・約款と同じことが言えると思います。

 それに、試験慣れも合格に重要なファクターだと思います。学生を卒業してしまうと試験を受ける機会がほとんどなくなり、そのノウハウが自身から失われてしまいますから、同じ知識を備えていても現役の学生ほどは得点を獲得できなくなるのでしょう。その点で、模試でも他の試験でもいいので普段から試験になれておくこと、または学生のうち・卒業後あまり時間が経たないうちに合格を目指すことも重要かもしれません。

(6)雑感

 一般旅行業務取扱主任者の資格は、国家資格とはいえ協会自身が発信しているように持っているだけでは無駄なものですし、旅行会社で働く際にもその知識が生きるケースは少ないようです。実際に、無資格者でもバリバリ仕事をこなしていますし、有資格者でも無資格時の私に各種の問い合わせをしてくるくらい。

 そもそも、ほとんどの旅行会社のスタッフは、自社他社のパッケージツアーやJR券や航空券等を、機械を操作してコールセンターに電話をかけて販売することが仕事のほぼすべてであるようです。試験の勉強をするより仕事や機械の操作を勉強するほうが、自身にも旅行者にも役に立つようですし、逆にその道のプロでもなかなか試験には合格できないと聞きます。試験の合格に実務知識はむしろ障害になるのかもしれません。

 ただ、この資格で稼ぐ気がなければ、それなりに有用な点は感じます。例えば趣味を語る際に、旅行が好きです、というより、旅行好きで一般旅行業務取扱主任者の資格を取ってしまいました、というほうが、一般受けするでしょう。また、試験勉強そのものが頭のトレーニングや知識欲の刺激など、知能の活性化に資するのではとも考えられます。

 こんな感じで、アドバイスという観点からはほど遠い内容ではありますが、試験合格の一体験記として適当に読み流していただければと思います。

(参考)2003年度一般旅行業務取扱主任者試験 実施状況

 出願者21,197名・受験者15,756名・合格者4,365名・合格率27.7%
(うち四科目受験者:出願者15,794名・受験者10,888名・合格者1,528名・合格率14.0%)

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