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| 病気の話 |
| 2-1 狂犬病 |
人が知りうる最古の人畜共通感染症である。
この人畜共通感染症の最大の問題点は「発症した場合の致死率がほぼ100%」
(治療し改善した例は報告されたもので3例のみ)
すべての哺乳類に感染し、発症します。
平安時代に狂犬病の記されている
関東大伸震災後爆発的な増加を見たが。、犬への予防接種の普及により戦前一時沈静化した。
戦争時の混乱で蔓延し、
1944年 犬800頭弱 人50人弱 発症・死亡
1949年 犬600頭余 人80人弱 発症・死亡
1950年 狂犬病予防法制定
犬への2回/年(6ヶ月毎)のワクチン接種・登録管理の開始
1956年 犬6頭の発症を確認した後、現在まで発症はない
(1971年 海外渡航者が帰国後に発症?があったらしい)
長期にわたり狂犬病の発生がない地域は
日本・台湾・イギリス本島・北アイルランド・アイルランド・アイスランド・
スウェーデン・ノルウェー・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー諸島・
ハワイ・グアム
の11地域のみです。
韓国の状況
1984年に制圧に成功したが、1993年に北朝鮮との国境線近くでタヌキに起因する狂犬病が報告された。
1998年に2名のヒトの狂犬病による死亡例が出て以来、毎年1〜2名の死者を出している。
この理由として、タヌキの国境線の行き来により対策が取れない事、犬のワクチン接種率の低下
(最低時は14%となっていたらしい)
*上記の事から、北朝鮮においては経済的な理由からも、狂犬病が蔓延している可能性が高いと思われる。
中国の状況
過去5年にわたり狂犬病の発生が急増している。
2001年 854名 人の発症・死亡
2002年 1003名
2003年 1297名 (9月末の時点)
この数字はSARSやAIDSの死亡者数をはるかに上回っている。
このように、現在でも世界では5万人以上の人と10万頭以上の動物が毎年死亡しているのである。
狂犬病がもし国内に入ってきたら?
狂犬病が確認された地域は、まず動物を飼育されている方はその動物を連れて都道府県を越えての移動を制限されます。最悪、その周辺地域の道路の封鎖処置もできる事になっています。
さらにその地域にいるすべての動物に狂犬病のワクチンの速やかな接種が義務付けられるでしょう。
(イヌの他に、ネコ・フェレット・ウサギ・牛・馬など)
また、野犬や野生動物(タヌキなどや人が制御できない動物)が多く出没する地域では、毒物が入った餌を撒き殺処分することができると「狂犬病予防法」に記されています。
(もちろんどこにそのような餌を撒くかは広報されますが、繋いでいないイヌが食べる事も想定していますが、この時点で「係留指示」が言い渡されており、もしその餌を食べてどなたかの飼い犬がなくなっても飼い主本人の責任になりますし、係留指示がでても従わない場合その動物は「抑留」(強制的に保護管理する)事が記されています。)
さらに狂犬病の疑いで死亡した場合、遺体は要請があれば検査のため機関に引き渡すことが義務付けられています。(死体からの人への感染を防ぐ意味もあるのでしょう)
過去に発生した際には、予防接種されていない動物の殺処分が最も有効とされ実行されてきた地域もあるそうです。保護するにも場所が限られてるので、未登録・身元不明のイヌの処置はどうなるかは不明です。
(現在もっとも動物愛護が進んでいるといわれているイギリスは牛で「口蹄疫」「BSE」が発生したときにも疑いのある動物を殺処分していました。)
もし人への感染があった場合、暴露後免疫といって狂犬病罹患犬にかまれて発症する間に、4回〜5回のワクチン接種にて発症を防ぐことができます。(発症したら治療法なし)
このワクチンが年間2万人分ほどしか生産されていません。
この事実をもってしても発生が報道されたらパニックになることは避けられないでしょう。
現在の日本の対策は?
侵入防御(検疫)と集団免疫(イヌへの予防接種)をしています。
狂犬病に感染した後発症するまでの期間(潜伏期)は1週間〜1年以上とあり、現在改正された検疫期間(180日間)をもってしても狂犬病の生前診断は「発症」を持ってしか成し得ない事を考えると完璧に侵入を防御することは不可能です。
(周りがすべて海の為、動物がそのまま移動してくることはないが、動物が船に乗ってくることもある)
そこで必要になるのが、集団免疫としての「イヌへのワクチン接種」になります。
諸外国を含め日本もこの「イヌへの接種の普及」により猛威を振るっていた狂犬病を鎮静化・制圧に成功している事から考えても、たいへん効果的な対策だと考えられています。
WHOによるとこの集団免疫が80%までいけば、一度入り込んだとしても人への被害は抑えられるといわれているようですが、国内の接種率は実質45%といわれています。
この状況下では効果を期待するのは不可能でしょう。
このように現在の国内の状況は非常に危険な状態なのです。
なぜなら、
・狂犬病は日本にはないと考える方が多く、危機感が薄れている。
・検疫および集団免疫といった国の対策も完全には機能していない
・その対策の一翼を担う獣医師までも「いらないよ」と軽々しく口にする方がいる
・タイなどで見られる狂犬病の発症例が、国内で典型的と考えられている症状と異なるらしい
(初期に診断・報告する事が難しい可能性がある。報告・対応が遅れれば遅れるほど人への被害が広がる可能性が高い)
もし国内で発生したらご自分と愛犬にかかわる重大事件になります。
・実際、狂犬病のワクチン接種にも副作用が見られることがあります。
・時にアナフィラキシーショックで死んでしまう子も報告されています。
・海外では2〜3年に一度の接種の国もあります。
(確認はできていませんが、アジュバンド(ワクチンの抗原提示を増強、持続する効果がある)が加えられている物ではないかと思われます。これを含んでいるワクチンのほうが副反応のでる確率が高いといわれます。
国内の製品には入っていません。なので1年毎接種となっているそうです。)
・接種禁止の国もあります。
(発生状況を正確につかむため)
そのような情報から「愛犬にしたくない」と接種しない方もいらっしゃいますが、前述のような周辺事情を知った上で日本国内に住み、そこで犬を飼う場合やはり法律に従って、胸を張って飼うべきなのではないでしょうか。
わが国でも狂犬病の予防接種を3年毎にしようという動きも過去にはあったようですが、前述の中国や韓国の状況を鑑みて現状を変更しなかった経緯もあるようです。
昨今の獣医師の報道より不信感を抱いている方も多いでしょうが、過去の法律を盾に利権にしがみ付いているという理由で現在の法律が変わらないのではない事を覚えていて頂けると幸いです。
犬を飼うのも皆さんの権利です。その愛犬の為、日々いろいろ調べ健康に保つ為努力なされているとは思います。
それゆえ、できる限り愛犬に害があるものは避けたいというお気持ちも十分理解できます。
しかしながら、致死的な伝染病を国に予防・対策を施してもらうのもまた全国民の権利だという事もご理解いただければと思います。 |
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