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プラモデル作品集

FERRARI F60 (2009年)

F1参戦60周年を記念して命名された2009年型のフェラーリ。2.4リッターV8エンジンに、KERS(運動エネルギー回生システム)を搭載。F.マッサとK.ライコネンがドライブしたマシン。2018年制作。

タミヤ製のキット。タミヤフィリピン工場製造。キットだけで定価5,000円もする豪華なものです。エッチングパーツやカルトグラフ製デカールなどもついています。キットではマルボロのバーコードデカールは入っていないので、TABUデザイン製のデカールも購入しました。9年近く押し入れで眠っていましたが、ようやく制作に取りかかります。

まずはボディを塗装していきます。必要な部品を切り出して、足を付けたりクリップで挟んだりして準備です。今回のフェラーリレッドはタミヤカラー(スプレー)のブライトマイカレッドです。フェラーリの赤は、時代によって少しずつ異なります。F60はマイカ(雲母)いりのキラキラレッドだったようです。

ノーズコーンは左右分割になっているので、あらかじめ貼り合わせてからポリエステルパテで合わせ目を処理してから塗装します。  

コクピットはセミグロスブラックで塗装。シートベルトはキット付属の紙テープとエッチングパーツを切り出して製作しました。とてもリアルです。
 

続いてボディの塗り分けです。この車は、シャーシのカーボンブラックとボディのフェラーリレッドを塗り分けるパーツがいくつかあります。メインコクピットもそうです。フェラーリレッド塗装後、マスキングテープとMr.マスキングゾル改(緑色の部分)を併用し、レッドで残す部分を覆っていきます。
その上からセミグロスブラックを吹いて、マスキングを除去したのが右側の写真です。

 

次は、カーボンファーバーの塗装に行きましょう。この時代のF1には、カーボンファーバーが多用されています。カーボンファーバーの表現としては、①何も考えずセミグロスブラックでベタッと塗る、②セミグロスブラックの塗装前もしくは塗装後に、デザインナイフなどで表面をけがき、凹凸を付ける、③銀色と黒色を重ねて模様付け塗装を施す、④カーボンでカールを貼る、といった手法が考えられます。
このうち、今回は③の塗り分け手法で行くことにします。
まずは、全体をタミヤアクリルカラーのメタリックグレーで下地塗装します。
 

そこに用意した秘密兵器、ホームセンターで売られている網戸補修用の網を上から被せます。そしてその上から、セミグロスブラックを吹きます。。この網戸補修用シート、金網に比べると柔らかいので、局面を作りやすく、かつパーツを傷つける心配が少ないのが利点です。また乾けば何度でも再利用可能です。
 

写真左が網を外し状態です。このままだと銀色が目立って不自然なので、.全体にセミグロスブラックを吹いてトーンを下げたのが写真右です。それっぽくなりました。
 

左右のラジエータにはメッキ部品が使われています。コレはこのまま利用するとして、使用感を出すためにエナメルのフラッドブラックで汚し墨入れを施します。


このキットの難しいところに、作る順番の構想があります。塗装をしないなら、説明書の順番通り組み立てればよいのですが、とりわけどこでベースのフェラーリレッドを塗り、どこでセミグロスブラックを塗り分け、どこでデカールを貼ってどこでクリヤーコートするか、といったあたりを、初めて制作する段階でシミュレーションするのはとても難しいです(そこが楽しいのですが)。今回はひとまずこの段階でデカール貼付とクリヤーコートを施してみました。デカールはカルトグラフ製ということもあり、非常にしっかりとした貼り心地です。MR.カラーのスーパークリヤーⅢをたっぷりと吹いたところ、もう研ぎ出しも不要なくらいてらてらにつやが出ました。

続けて諸々デカール貼りとクリヤー塗装を施していきます。割り箸に貼った両面テープに付けて塗装するのが好きです。
センターカウルのバーコードパターンはキットに付属していないので(もうマルボロじゃないんだからいいような気がしますが)、TABUデザイン製の別売品を使用します。
リヤウィングの白地部分はデカールが付いていましたが、こちらは塗装で表現することにしました。

 



フロントノーズを組み立てます。この時代のF1マシンは、F60に限らずメインウィングが小さい代わりに細かい整流板があちらこちらに付きます。F1は垂直・平行が命なので、組立ては慎重に進めます。
ウィング先端のアルミモールはデカールを利用、ぶら下がった付け根部分のピンはデカールではなく、0号虫ピンに置き換えています。この虫ピン置き換えはキット全体で多用しています。

アンダーパネルは、基本色のセミグロスブラック、カーボンファイバー部分の網々塗装、耐熱シートのシルバー、底面木部のパフに塗り分けます。
 

エンジンは、2400ccV8気筒です。この年からKERS(運動エネルギー再生システム)が搭載されていますが、キットでは何だかよく分かりません。エンジンとトランスミッションが一体となったパーツに、サスペンションとなるアーム(ロワアームとアッパーアーム)を取り付けていきます。再後端にはテールランプが付きます。この部品は透明部品になっており、全体をセミグロスブラックに塗った後、LEDランプ部分の塗料を拭い取りました。
 
 

F60の特徴のひとつに、アップライトカバーと回転しないホイールカバーがあります。アップライト本体は、前後のサスペンションアームとΩ型の接合部でかちっとはめる構造になっているのですがこれが難しく、案の定事件が発生します。上部に付いている2本の突起が見事に二つとも折れてしまいました(写真左)。接着して直るものでもなく、部品請求も考えましたが、ひとまずネジを使って再生を試みます(写真右)。まあ、やればなんとかなるものです。
 

前後のアップライト、無事こんな風に組み上がりました。
 

フロントアップライトの中心にはブレーキか何かのリザーバータンクが再現されていますが、フロントノーズを装着してしまうと隠れてしまいます。そこで、ノーズを着脱できるよう、ノーズと本体の両側に突起を加工して着脱できるようにしてみます。まあ、そう開け閉めすることもないのですけど。

この年は久しぶり(12年ぶり)にスリックタイヤが復活した年です。やっぱりこの方がF1って感じでかっこいいですよね。グッドイヤーの白文字はデカールも付いていますが、付属のステンシルを使って、タミヤエナメルカラーのフラットホワイトで塗装ずることにします。この方が楽しいので。回転方向指定式のタイヤなので、矢印の印字を間違えないように。
 

このキット、所々に難関ポイントがあります。実車を忠実に再現しているからなのですが、特に部品が細かいところがたいへんです。センターカウルのケシ粒のほうな部品など、説明書の図を見ても取り付け方向がてんで分かりませんし(写真左)、リヤウィングなども垂直・平行を出すのに、ほんと苦労します(写真右)。
 

完成間近です。ここまで組み上がった車体にセンターカウルと再度カウルを取り付けます。ただこれによって車体内部は見えなくなります。ジオラマの設定次第ではカウルやフーエルカバーなどは着脱選択できますが、今回はひとまず全閉じで組み上げます。

カウルも付きました。合わせ目もぴったり。さすがタミヤです。
 

完成です。
  


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