概略
「600万ドルの男」とは?
「600万ドルの男」(原題:The Six Million Dollar Man)は、1973年〜1978年までアメリカにて放送がされた外国TV映画シリーズ。全5シーズン、103話が製作されており、その内の1話〜60話までの第1シーズンから第3シーズンまでが日本で放映された。
宇宙飛行士のスティーブ・オースチン大佐がテスト機HL-10(Returnでは、日本語版はM3-F5になっている)の墜落事故により右腕、両足、左目を失うが、NASAのメディカルスタッフによって人工の腕、足、目を移植されサイボーグ(バイオニックマン)として復活する。そのサイボーグ(バイオニック)手術で備わった特殊能力を駆使してさまざまな難事件に関わっていくというストーリーで、「SF」、「アクション」、「スパイ」系のドラマによく分類される。
人工組織移植に関わる手術費用が600万ドルかかったため、「600万ドルの男」という原題がついたらしい。尚、日本では当初「サイボーグ危機一髪」という邦題がついていたが、途中で「600万ドルの男」に改題された。
尚、姉妹編のスピン・オフシリーズとして「バイオニック・ジェミー」があるが、この「ジェミー」は、「600万ドルの男」内でスティーブ・オースチン大佐の婚約者として初登場。スカイダイビング中の事故でスティーブと同じく重傷を負ったジェミーを救うため、スティーブは政府を半ば脅迫してまで「ジェミー」にスティーブと同じサイボーグ(バイオニック)手術を施させるのであるが、「600万ドルの男」内のエピソードでは、「ジェミー」は、バイオニック組織に適応できず拒否反応を起こして死んでしまうという悲しい結末になっている。その後、投書の殺到により、スピン・オフシリーズとして「バイオニック・ジェミー」は独立したシリーズになるが、死の淵から奇跡的に復活したジェミーは、スティーブとの記憶を思い出そうとするとバイオニック拒絶反応時の記憶がフラッシュバックしてジェミーを苦しめることになるためということで、「600万ドルの男」内では、スティーブがジェミーを苦しめたくないと自ら身を引く形をとって「ジェミー」は故郷オーハイに帰るという設定で独立シリーズに昇格している。(独立シリーズ放映開始後の各々の番組への効果などについては後述も参照のこと。)
本HPにおいては、略称として「600万ドルの男」を「SMDM」、スピンオフ・シリーズの「バイオニック・ジェミー」を「BW」と表記する場合があることを明記しておく。
放送話数に関して
Jackの調査では、1978年まで5シーズン103話が製作されている。その内、第1話、第2話、第3話が90分構成となっており、これら3作がパイロット版と呼ばれる。シーズン中では、前・後編に別れているものを除き、第67話、第69話、第92話が120分構成となっている。
日本での放送は、1974年からNET系にて放送。Jackが確認している範囲で、関東地区においては、その後1982年頃に東京12チャンネル(現テレビ東京)で12:00〜13:00の時間帯に、1987年にTBSにて深夜0:50〜1:50の時間帯に再放送されている。また、1995年頃にCSのスーパーチャンネルにても放送されていた。また、パイロット版の第1回と第3回については、1983年、1985年、1986年にテレビ埼玉、テレビ東京にて放送されている。その他1988年以降何度かテレビ東京にての放映を確認している。尚、後述のReturns3部作の1話目、2話目については、初回放送が1990年代に日本テレビにて、その後テレビ東京にて数回放映されている。また、この1話目、2話目については、2003年10月にCSのAXNで放送された。
尚、日本では第61話目(Forth Season)以降は「バイオニック・ジェミー」のエピソードとして放映された第66話を除き、未放映であることを追記しておきたい。
(しかも、このForth Seasonは主人公のスティーブ・オースチン大佐はSeasonの途中まで「髭」を生やして任務を遂行しているのだが、この「髭」がトレードマーク?のスティーブは、日本では第66話のジェミーシリーズの中でしか見ることができないのだ。)また、日本とアメリカの放送時間枠の違いにより、日本語版はアメリカ版より数分短いバージョンになっており、従って数多くの日本未公開カットシーンが存在するようだ。
<追記>
第1話、第2話、第3話については初回放送が90分放送であったが、レギュラーシーズンへ昇格した際にレギュラー枠で再放送されたようで、追加シーンを加えて前、後半の60分×2の120分枠での再放送があったらしい。日本語版で第2話が前、後編で別れて放送されているのに対して第3話が90分構成になっているのは、この2つのバージョンが混在した形で日本に輸入されたと見ることができる。尚、第3話については、未公開シーン解説で詳細を記述しているが、バックミュージックが違っていたりといった追加シーン以外での編集部分もあることをJackは確認している。
スピン・オフ(スピン・アウト)
セカンド・シーズンの第34話、第35話で登場した恋人「ジェミー」は、スティーブと同様事故により「バイオニック・ウーマン」として甦る。後に、スピン・オフ(スピン・アウトとも言う)して「バイオニック・ジェミー」としてシリーズ化されている。
実は、「ジェミー」は、「600万ドルの男」第35話「誕生!バイオニック・ジェミー秘話2(The Bionic Woman/Part II)」にて死亡しているのだが、復活を望む視聴者の声が強かった為、第39話「甦ったバイオニック・ジェミー1(The Return of the Bionic Woman/Part I)」、第40話「甦ったバイオニック・ジェミー2(The Return of the Bionic Woman/Part II)」にて復活。その後、第53話「バイオニック・ジェミーの誕生(Welcome Home, Jaime/Part I)」を経て(日本では「バイオニック・ジェミー」の第1話として放送されている)独立シリーズ(スピン・オフ)となった。
現在のアメリカTV映画においては、スピン・オフ番組は割合出現しやすい。例えば、「Xファイル
<-> ローンガンメン」、「バフィー恋する十字架 <-> エンジェル」といったシリーズなどがスピン・オフ番組として存在するが、当時の'70年代のTVシリーズにおいて、スピン・オフ形式に発展した例は、このSMDM、BWシリーズ以外にJack自身は発見していない。日本においてはほとんど例がないが、「水戸黄門<->水戸黄門外伝」などが挙げられる。
尚、日本においては、主人公が殉職などで新主人公に交代して続くシリーズや主人公となる者が大元の番組から飛び出して別シリーズに発展するケースはあるのだが、別々のシリーズとして同時平行して放送されるドラマはJackの記憶しているところではないようだ。
クロスオーバーによるコラボレーション(共同制作)効果
上記経緯により、同シリーズは一部「600万ドルの男」とクロス・オーバーしており、「バイオニック・ジェミー」内では、「スティーブ・オースチン大佐」は第3話「15年目の脅迫(The
Thing of the Fast)」、第5話「迎撃ミサイル発射せよ!(The Deadly Missiles)」、第18話「ゴールドマン局長暗殺指令1(Kill
Oscar/Part I)」、第19話「ゴールドマン局長暗殺指令3(Kill Oscar/Part
III)」の4回にゲスト出演している。逆に、「ジェミー」は、「600万ドルの男」エピソード内で初登場の第34話「誕生!バイオニック・ジェミー秘話1(The
Bionic Woman/Part I)」、第35話「誕生!バイオニック・ジェミー秘話2(The
Bionic Woman/Part II)」をはじめ第39話「甦ったバイオニック・ジェミー1(The
Return of the Bionic Woman/Part I)」、第40話「甦ったバイオニック・ジェミー(The
Return of the Bionic Woman/Part II)」、第53話「バイオニック・ジェミーの誕生(Welcome
Home, Jaime/Part I)」(日本では、「バイオニック・ジェミー」の第1話として放送)、第58話「謀殺!オリンピックの華(Love
Song for Tanya)」、第60話「非行少年!さまよえる青春(Big Brother)」、第61話「ビッグフットの帰還(The
Return of the Bigfoot)」、第66話「ゴールドマン局長暗殺指令2(Kill Oscar/Part
II)」(日本では「バイオニック・ジェミー」の中でPartIからPartIIIまで連続で放送)にゲスト出演している。
これらのゲスト出演により、両シリーズをシンクロナイズさせた結果、両シリーズをお互いに競わせ、また盛り上げていく効果が生まれたのではないかとJackは推測する。
その後、「ジェミー」シリーズの放送局の変更(ABC→NBC)などによる諸事情によって、各々のクロスオーバーエピソードは途絶えることになり、互いのシリーズは独自色を強めて行く結果となったが、その後「600万ドルの男」は1978年まで開始から約5年間にわたって第5シーズンまで放送が続くというわりと息の長い人気番組となった。
10年後に発表された番外編スペシャル3部作
1987年以降に「Return of the Six Million Dollar Man and the Bionic Woman」「Bionic
Showdown」「Bionic Ever After?」の3作が続編としてスペシャル版で製作されている。(Jackは、これらを勝手にReturns3部作と称している。)
各々のシリーズ終了から約10年近くが経過してのスペシャル・シリーズで、不運が重なって別れた「スティーブ」と「ジェミー」の再会から始まり、2人のその後の成り行きを描いたもので、両シリーズのファンとしては感慨深いものがあった。
日本での放送は、関東地区で1990年代に「Return of the Six Million Dollar
Man and the Bionic Woman」(吹替え)「Bionic Showdown」(字幕)が日本テレビ、その後テレビ東京にて数回放映されていたのをJackは確認している。尚、「Bionic Showdown」は、「バイオニック・ウォーズ」として、CICビクターから当時ビデオ発売されていた(現在は、廃盤である)。「Bionic
Ever After?」については、日本での放映についてJackは確認していない。
Jackの個人的意見であるが、一連のシリーズの最後を飾る意味で欠かせない「Bionic Ever After?」については、日本での放映を期待したいところである。
(JackFALLGUY談)
注:エピソード番号、題記などは、講談社「Film Fantastic 6」より引用している。
*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。
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The Six Million Dollar Man and The Bionic Woman are copyright (c) Universal
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