研究 「600万ドルの男」

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Jackの「ネタばれ!エピソード解説」編

第66回 「ゴールドマン局長暗殺指令2」
日本では、「バイオニック・ジェミー」のエピソードとして放送されています
ということで、PartI〜PartIIIまでまとめて解説させて頂きます。

Jackは常々この3話において何故PartIIIのラスト近くで「スティーブ」が裸だったのか考えていました。そして、ラストシーンで雲間から日がさす映像を見て気づいたんです。
「天地創造」とソックリだと...。各話には、だいたい種になる映画があるとJackは思っていますが、今回はこれがジョン・ヒューストンの「天地創造」だったわけです。

まず、「天地創造」の映画の1部を紹介しますと、「神」は「人間」を作り「アダム」と「イブ」と名付けて「楽園」に住まわせるわけですが、蛇にささやかれリンゴを食べてしまいます。それは、すなわち「神」を裏切ったことになり、「アダム」と「イブ」は「楽園」を追放されますが、リンゴを食べたことで代わりに「知恵」を得ます。

今回よく考えると、「フランクリン博士」は「セントエミール島(聖エミール島←聖書関連ですかね)」を支配し、独自の世界を形成していますね。フェンボットの創造主は当然「フランクリン博士」。しかも、気象コントロール装置まで手に入れている。というわけで、「フランクリン博士」はいわば「セントエミール島」という「楽園」で「神」のような地位にあるわけです。ところが、この「楽園」に上陸してくるのが「スティーブ」と「ジェミー」。つまり「アダム」と「イブ」、2人とも知恵を持った特別な「人間」なわけです。

しかし、「フランクリン博士」のコントロール下にある「フェンボット」は、知恵は持たないわけで、所詮「人間」にはなれない。ましてや、「フランクリン博士」も全知全能の「神」であるわけがない。そこが「スティーブ」と「ジェミー」を勝利させる要因となるわけです。「天地創造」の世界においては、「神」は「アダム」と「イブ」を「楽園」から追放しますが、このエピソードにおいては、「スティーブ」と「ジェミー」が「神」である「フランクリン博士」の「楽園」を破壊するというストーリーになっています。

このストーリー構成。なんという皮肉でしょうか?よく考えられよくできています。ラストシーンで、フランクリン博士は、「コントロールできないものこそ素晴らしいものだ」と語っているようですが(確か英語で聞くとそう言ってたと思います。原作訳もそうなってます。)、これは「スティーブ」と「ジェミー」に対する最高の賛辞です。つまり、2人は肉体の1部は機械であるが、「人間」であるということであり、このシリーズ全般にわたって流れている「人間の心」というテーマがここでも伝わってきます。

ゲストスターに「ジョン・ハウスマン」(<ザ・フォッグ>)、「ジャック・ギング」(<特攻野郎Aチーム>の<フルブライト将軍>役)などが出演し、怪演しているところがこの3話のストーリーを大いに盛り上げてくれます。

<ストーリーの流れ>
後日UP予定 

<あらすじ>(ネタバレ注意!)
後日UP予定。 

<バイオニックシーン>
・後日UP予定

<ポイント>
・ベルト
 リンク編で解説した通り、空軍のマークをかたどったベルトのバックルがPartIで見られる。ブレスレットはないが、何故かジェミーがしているようだ。
・髭のスティーブ
 任務遂行の為に付け髭をしているエピソードはあったが、付け髭でないスティーブを見られるのは初めて。
・青のジャージ
 PartIIの終わり近くでリンク編で解説したお決まりの青のジャージが登場。

<情報>
・OSIの隔離病棟
 「静かに!」という意味の口に手をあてたポスターがあちらこちらに見られる。
・Blaster Door Caution
 PartIIにてフランクリン博士の最初のアジトのドア横に書かれている文字。Blasterは突風の意。不意にしまるドアに注意という意味か?実際、フランクリン博士の操作でスティーブは挟まれている。バイオニックで完全に挟まれてしまうのを回避しているが...。
・「天地創造」へのオマージュか
 ラストの日がさすシーンはソックリ。解説参照のこと。

<疑問やエラー>
・なんと、ゴールドマンロボットは2体いた!
 フランクリンのアジトに潜入したスティーブ。ドアの向こう側にフランクリン博士を見つけるがこの時、一番奥のカプセルにゴールドマンロボットが入っている。(ただし、直前の映像には映っていない。)いつの間に作ったのだろうと思っていたら、スティーブがドアに挟まれてバイオニックでこじ開けると次の部屋で人質になっているフリをしている。ゴールドマンロボットをスティーブは発見して一緒に脱出するわけだが、この時、走りぬけるゴールドマンロボットの後ろのカプセルにやはりゴールドマンロボットがそのまま左のカプセルにあるのを発見!つまり、ゴールドマン・ロボットは計2体いたことになる。この辺り、実は大変芸が細かい演出なのだが、効果は疑問。カプセルにあるゴールドマン・ロボットに気がついた人って何人いるのだろう。しかも、最初にドアをこじ開けて部屋に入ったときにカプセル内のゴールドマン・ロボットにスティーブが気がついてもよいはず。全く部屋のまわりの様子に注意を払わないスティーブもおかしい。
だいたいカプセルにゴールドマン・ロボットが入っていたら、部屋で監禁されているゴールドマンに対してもスティーブはすぐに疑いを持っていいはずでは...。
スティーブがカプセルのゴールドマン・ロボットに気づいていたのか?演出意図が中途半端に見える。
・すりかえ時の洋服は?
 ゴールドマンと2人の秘書をすりかえる時、フェムボットはいずれも同じ洋服を着ているが、どうして当日の服装がわかったのだろうか?用意するのがだいたい大変なのでは...。
・PartIIは「600万ドルの男」で放送されたのに、スティーブはゲスト扱い?
PartIIの冒頭に次の文字が出てきます。
   「Special Guest Appearance by
    LEE MAJORS
    as Col. Steve Austin」
・カメラのライトが... 
よくありがちなエラーを発見。PartIIにて、スティーブとゴールドマンロボットの対決のシーン。なんと、OSIの医局カウンターに逃げ込んだスティーブをゴールドマンがカウンターを壊しながらブルドーザーのように進んできますが、おっと、ここで左側の薬の並んだ戸棚に反射する「カメラのライト」が映ってますね。ゴールドマンがスティーブの元に動いていく時に反射角度が変わった為、一瞬映ってしまったみたいです。
・右手を怪我した?スティーブ 
英語版FAQにもありましたが、ゴールドマンロボットを倒し終わった後、スティーブは何故か右手をさすっていますね。本来はバイオニックの右手は痛みを感じないはずなので、この行為は起こらないはず。演じるリー・メジャースが何かの拍子に右手をひねったかな?


注:エピソード番号、題記などは、講談社「Film Fantastic 6」より引用している。

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。

           

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