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Jackの「ネタばれ!エピソード解説」編

【第29回】 「特攻! 最後の神風」
小型核弾頭回収のために南の島に潜入するスティーブと戦争終結を知らずに南の島で暮らす特攻隊員の生き残りとの交流を描く第29話。アメリカを敵だと考えるクロダに、日本兵を恨み尚且つ核弾頭を横取りしてアメリカをゆすろうと言うフィリピン人が加わって三者三様に物語が展開していきます。

<ストーリーの流れ>
後日掲載。

<あらすじ>(ネタバレ注意!)
南のある島に小型飛行機が墜落した。ゴールドマン部長はその飛行機に小型核弾頭の試作品「ハヤブサI」が積まれていたことを知って激怒する。墜落機から日本兵の軍服を着た何者かが核弾頭を持ち去ったと聞いたゴールドマン部長はスティーブを呼ぶ。違法輸送で公に探すことが出来ない上に試作品のため、衝撃や高熱に弱い核弾頭はいつ爆発するかもしれない危険にさらされていた。スティーブは核弾頭の回収という責任重大な任務を任されたのだった。部長は現地のガイドとしてフィリピン人のガベラを雇いスティーブの道案内を任せた。
スティーブとガベラは輸送機から島へ降下した。ガベラの案内で島の日本兵を探すスティーブは、ジャングル内に日本兵が細工したさまざまな罠を見つける。ところが、足元に気をつけろといったガベラが罠にかかり、スティーブは落ちてきた手榴弾をよけようとバイオニックパワーを使うが、手榴弾が2個落ちてきたためガベラをかばい爆発の爆風に巻き込まれて負傷し気絶してしまう。
ガベラは倒れたスティーブの右手の脈を調べるが、バイオニックの腕の方の脈をみたため、彼が死んだものと勘違いする。ガベラはスティーブの通信機をこわし、仲間のミゲールにスティーブが死んだと伝えた。核弾頭のことを密かに知っていたガベラは折を見てスティーブを抹殺し、日本兵から核弾頭を奪い取る計画だ。ガベラは日本兵を探しにジャングルの奥へ入っていった。
しばらくして、罠にかかったスティーブを日本兵クロダが見つける。彼は、スティーブの左腕の脈をとったのだった。クロダは、気を失ったスティーブを味との洞窟へ連れ込んだ。
夜、クロダの吹く竹笛の音に目を覚ましたスティーブはクロダから名前、階級、軍の目的を話すよう詰問を受ける。スティーブは、自分は軍に属していないといい、30年前に戦争は終わっているとクロダに話すが、クロダは自分を降伏させるための罠だととりあわない。
スティーブは原爆投下と日本の降伏について語るが、頭部による傷のため、再び意識を失ってしまう。明け方、再び目を覚ましたスティーブは、クロダに千人針を見せられたりと心を徐々に通わせ始めるが、追手の危険を感じたクロダは傷ついたスティーブを起こし、両手を縛ってジャングルの奥地へ進ませた。
ガベラは、クロダとスティーブを見つけて発砲する。制止するスティーブにガベラは核弾頭を奪うため、スティーブには従わないと言い、2人を殺そうとする。スティーブはバイオニックパワーで手を拘束しているベルトを引きちぎりクロダを助けた。バイオニックパワーで強引にベルトを引きちぎったため、スティーブの左手には傷跡ができていた。クロダは、スティーブが逃げなかったことを不思議に思いながらも尚もジャングルの奥へとスティーブを連れまわした。
スティーブからの連絡がないことにしびれを切らしたゴールドマン部長は、ヘリを飛ばしてスティーブの様子を探るが手がかりはつかめない。
一方、スティーブはクロダを説得しようと自分が月へ行った話をするが、クロダはスティーブをうそつき呼ばわりし取り合わない。スティーブはやむを得ずクロダの作った罠を使ってクロダを取り押さえ「ハヤブサI」を手にし、一緒にあった爆弾を遠くへ投げた。爆弾は爆発し、ガベラに居場所が知れてしまう。
クロダにポラロイドカメラで写真をとってやるスティーブだが、クロダは尚も現実を拒み続ける。墜落現場までクロダを連れて行こうとするスティーブだったが、途中で頭部の傷が痛み出し隙ができてしまう。クロダはこの時とばかりに逃げ出してしまった。スティーブはクロダを捕らえようと後を追うが、クロダの作った落とし穴に落ちてしまう。
落とし穴に落ちたスティーブに銃口を向けるクロダはスティーブに原子爆弾の投下されたという都市の名前を尋ねた。スティーブ曰く、「ヒロシマとナガサキだ。君の故郷じゃないだろうな。」銃の引き金を引こうとするクロダだったが、スティーブのバイオニックの足に落とし穴につけた剣がささっているのを見てしまい愕然とする。スティーブは事故で体の一部が機械になっていることを告白し、君と同じ人間だとクロダに助けを求めるが、尚も信じられないクロダはスティーブに銃口を向け本当のことを話すようにと脅す。しかし、スティーブは「たとえ殺されても歴史は書き換えられない」と言い放った。
スティーブの言葉にすべてを理解したクロダは、カミカゼ隊員の自分は生きて帰ることは恥だと言うが、スティーブは戦後多くの日本兵が帰還し、家族は喜んだとクロダの自決を思いとどまらせようとする。そこへガベラが現れた。ガベラは、クロダに対し、終戦直後に多くの日本人が自決した場面を見たがお前には名誉ある死に方などさせないという。ガベラは、家族を日本人の捕虜収容所でなくし日本兵に恨みを抱いていた。アメリカは金持ちだからいくらでも核弾頭は作れるだろうが俺達は貧しいから核弾頭をいただいてアメリカをゆすると本音を話すガベラ。「ハヤブサI」を持ち去ろうとしたその時、クロダはその前に爆破してやるといって銃をガベラに向けるがガベラの手下に撃たれてしまう。クロダは撃たれながらもミゲールを剣でさした。スティーブはこれを見てバイオニックパワーでジャンプし、ガベラの手下を倒す。驚いたガベラは逃走。スティーブはこれを追ったが迫撃砲でガベラに応戦される。スティーブは爆発をよけ、ガベラを追い詰めたその時、ガベラはクロダの仕掛けた罠を踏んでしまい爆死した。
ゴールドマン部長の出したヘリコプターがこの爆発をとらえ周辺を探し始めた。クロダの元に戻ったスティーブは、クロダが切腹しようとしているところを発見する。「神風に遅れをとりし我なれど、果てて保たん益荒男の名を」辞世を詠んで短刀をかざすクロダをスティーブのバイオニックの右腕が止めに入った。「あんたの過去はよくわかった。だが、それをこれからは生きる勇気に向けてくれ。」泣き崩れるクロダ。そこへちょうどゴールドマン部長のヘリコプターがさしかかる。スティーブは見通しのよい場所まで走り手を振ってパイロットに位置を知らせた。

<バイオニックシーン>
・後日掲載予定。

<ポイント・情報>
・日本人の描き方
だいたいアメリカ映画の日本人なんていうと、当時の映画は「ティファニーで朝食を」の管理人みたいなちょっと変わった人が多い。日本人としてはこれって日本人なの?と言えるくらいの時代考証なんですが、このエピはまったく違いますね。千人針の話といい、神風特攻隊、切腹と意味のある行動、内容でわりとしっかり日本人(日本兵)が描けている気がします。

・原爆投下についての1アメリカ人の意見
スティーブがアメリカが原爆を発明して2つの大きな都市を破壊したと言うところで、「当時はそれが一番いい方法だと考えられた」と言っていますね。ここまではアメリカ人の通常の見解でしょう。ところが、この後、「大きな罪だとアメリカ人のほとんどが思っている」と出てきます。これってもしかして日本語版だけで付け加えられた一種の配慮なのか?とJackは思っていたのですが、違いました。UK版を見ると、オランダ語字幕におなじことがありますね。オランダ語字幕を翻訳したら、「ほとんどのアメリカ人は後悔している」となっていました。アメリカ人ってあまりこの話題に触れたがらないんですけど、子供番組なのにかなり突っ込んでますね。すごい。ここまで突っ込んだ表現するアメリカの番組は見たことがありません。

・「神風に遅れをとりし我なれど、果てて保たん益荒男の名を」
オランダ語、および英語の字幕もありませんので、ここでクロダが詠んだ辞世の意味は我々日本人にしかわからないのです。(UK版なんとかならなかったのかい。)しかし、この辞世アメリカ人の脚本家が作ったとは考えにくくどこかにこの句を詠んだ人がいるはずとJackは思っているのですが、この句に関する情報は全くないのです。しかし、よくできた句ですよね。

・千人針
家族らが一針一針祈りをこめて縫ったものだとスティーブは思っているようですね。家族の思いのこもったいわばクロダの宝物なわけですが、この千人針が実はUK版のラストの感動のカットシーンへとつながっていくのです。えっ。どんな内容なのかって?それは、今度カットシーン編でお話しましょう。



注:エピソード番号、題記などは、講談社「Film Fantastic 6」より引用している。

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。

           

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