研究 「600万ドルの男」

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Jackの「ネタばれ!エピソード解説」編

番外編:バイオニック3部作 第1話 「Return of the Six Million Dollar Man and the Bionic Woman」
Jackが初めて見たのは、1990年代の「水野晴郎の特選シネマ」という深夜番組でした。水野さんの解説がちょっと入って「オン・エア」だったんですよ。

10年のブランクの後の「600万ドルの男」と「バイオニック・ジェミー」の続編ということになっています。

ゲストに「スパイ大作戦」の「マーチン・ランドー」、そして「600万ドルの男」でゲスト2回を誇る「ゲイリー・ロックウッド」、リー・メジャース映画には欠かせない「テリー・カイザー(サンチャゴ役の人)」と超豪華キャストを迎え、スティーブとジェミーの活躍に何故かスティーブの隠し子が絡んでくるというストーリーが展開されます。
まず、これは英版FAQにあったことですが、今回暴かれる「スティーブ」自身の隠された過去には、リー・メジャース自身の過去が重なっています。
まず第1に、20歳以前に結婚していたこと。実際のリー・メジャースは、大学時代にキャシー・ロビンソンと結婚しJr.をもうけていますが、怪我でフットボールが出来なくなったことから奨学金が途絶えたことで、家計が苦しくなり別れています。第2にラストシーンで、ジム・カスティリアン(演ずるは、リー・メジャースJr.)に「僕は孤児だけど」と言わせている点。リー・メジャース自身は産まれる前に父親を仕事上の事故で、母親を幼い頃に交通事故などでなくしたいわば孤児であり、Jr.の演じるカスティリアンの素性はその辺りを加味していると思われます。第3に、Jr.演じるカスティリアンに「父親を持つとしたら大佐見たいな人がいい」と言わしめている点、この後リー・メジャースはウィンクしていますが、実際2人は親子ですね。
しかし、個人的にはストーリーの継続性からして言えば、やっぱりスティーブに隠し子がいたという事実にはちょっと難点がありますね。
「600万ドルの男」シリーズ中、「スティーブ」は常に家庭を感じさせないイメージがあった為、復活ストーリーでいきなり息子が登場してきて、息子を気遣う「オヤジ」になってしまっているのはかなり唐突なイメージがあります。視聴者が驚く事実をジェミーが快く受け入れてしまうのも疑問だし、ジェミーの記憶が戻っている点もちょっと唐突な事実でした。2つのシリーズをまとめあげる上での設定とあわよくば息子を主人公に違うシリーズを立ち上げようと意図した製作側の思惑があってこのようなストーリーになってしまったようです。
またストーリー構成からすると、前半、「ジェミー」の婚約者であった「クリス・ウィリアムズ死亡事件」が背後に絡んで来るので、往年のファンのJackとしては、この「クリス・ウィリアムズ死亡事件」の顛末を映像で見たい気はします。(ゴールドマンを含めて3人の言葉の端々にこの事件のことがもち出されるのですが、何しろ回想映像とかもないので、どうゆう状態で事件が起こったのかは視聴者の想像に任せられている次第。両シリーズ中には、そんなエピソードは多分なかったのでこのエピソードが見てみたいと思うのは私だけでしょうか?ただクリス役の方は亡くなっておられるようですので映像化は難しいかも知れませんね。)
まあ文句はこれぐらいにして、全体的には、スティーブ、ジェミーとも活躍するというか画面に映る機会は多いのでシリーズ復活という意味ではファンであるJackには大変うれしい限りだったのでした。

<ストーリーの流れ>
後日UP予定。 

<あらすじ>(ネタバレ注意!)
後日UP予定。 

<バイオニックシーン>
・後日UP予定

<ポイント>
・英雄とは肝心な時に判断を誤る臆病者である
Hero is a frighten man and make a bad decision in a good moment.
息子マイケルのことで相談しに来たマイケルの仲間に対して言った言葉。スティーブが「クリス・ウィリアムズ」を助けられなかったことへの自責の念がこう言わしめているのか?かなりの名言だとJackは思うが...。
・2L
ストーリーを把握したら、1度英語で聞いてみましょう。リー・メジャースJr.演じるJim Castillianは、カスティリアンのつづりがL2つ。Lee MajorsIIの2世のLかリー・メジャースとの親子共演で2人のイニシャル、ダブルLでかけているのではないかと思ったのですが、劇中でもかなりセンスのいいセリフが展開されていました。
まず、局長の秘書トリッシュにしつこくデートを申し込むカスティリアンに、トリッシュが「Go to HELL!! It's two L!」(「地獄に堕ちろ!2つLがあるでしょ!」)と返すあたり、非常にユーモアを感じさせるセリフです。(日本語では、カスティリアンに自己紹介の時に発音を「舌かまないように」といっておいて、トリッシュのデートの答えを「舌かんで死ね」と訳していますね。センスのある訳ですね。)
また、最後にカスティリアンがスティーブに一言いいたいことがあるというと、スティーブが「You're Welcome! It's 1L」(「どうぞ。1つLだからね。」)と返しています。つまり一言とWelcomeの1LそしてLee MajorsのLをかけているんですね。
・ロウソクのセリフ
後半、スティーブとジェミーの会話の中で登場するロウソクというセリフ。
実は、「バイオニック・ジェミー」のエピソード中でスティーブがゲスト出演している「迎撃ミサイル発射せよ!(原題:Deadly Missiles)」の中で出てくるセリフとリンクしています。(この点は、おいおい「大リンク編」に追加しようと考えています。)
「迎撃」の最後のシーン。食事に誘ったスティーブにジェミーが「海岸の素敵なレストランで」と言うと、スティーブが「揺れるロウソクの灯りのもとで」と返しています。このエピソードの中では、同じく最後のシーン。「これからどうする?」と聞くジェミーにスティーブが「2人だけで乾杯しよう。ロウソクをともしたレストランがあるんだ」と返しています。(しかも、場所はヨットハーバー。海の近くですね!)最後のシーンでファンになかなか粋な計らいをしているなと思いました。
尚、この「ロウソク」ですが、このストーリーの中でもキーワードになっています。スティーブは、「クリス・ウィリアムズ」事件後、心の中に「ロウソク」を灯してジェミーが自分の元に帰ってくるのを待ったと言っています。でも、「クリス」の件もあってなかなか結婚しようとは切り出せない。心を閉ざしたスティーブは、「釣り船」を買って「ジェミー」との思い出を胸に「Summer Maiden」(夏の乙女)号と名づけ、そこを自分の逃避先にします。そんな時に、フォートレスが再生し事件が起こる。スティーブを否が応でも助っ人に引き入れたいゴールドマン局長は「ジェミー」を「スティーブ」と鉢合わせさせる演出をしてと話がすすんで行くのですが、スティーブはジェミーとの再会後、心の中の「ロウソク」の灯りを消さなきゃいけない時が来るのではないかと恐れているところも見受けられるんですね。この辺がシリーズ中のいつもの強いスマートなスティーブとは違うところ。ナイーブでなんというか完全な弱さが出てきています。こと「ジェミー」に関することになると、シリーズ中もそうなのですが、何故かスティーブは、いつものクールで論理的なスティーブではなくなって妙に感情的になるんですね。まあ、それだけ「ジェミー」を愛していたということなんでしょう。ということで、このエピソード中で「ロウソク」で表現されるスティーブの心の揺れ方も見所の1つかと思います。
・Triumph(大勝利)
この単語大好きです。日本語では、単に「大勝利」と訳してしまいますが、victoryよりも強い意味があって満足感や達成感が伴ったvictory(勝利)という意味になります。息子が事故にあった後、病院でジェミーに弱音を吐くスティーブですが、この表現にこの「triumph」という単語が使われているんですね。マイケルを失った(とこの時は思ってる)スティーブの悲しみの深さがひしひしと伝わってきます。(尚、英文は多分誤りがたくさんあると思うので参考程度に留めて置いてください。)
Thou,
you say that your whole life passes us
before you never us with second before does.
この世から消える瞬間、すべての人生が自分の前を通り過ぎるっていうだろう。

you know I saw and human that anything, so,
his whole life sceen before
僕は彼の人生が通り過ぎるのを見ている息子を見ていた。

joys, sorrows triumphs, and any wills,
how gone and one homed.
I stood there much time.
喜びと悲しみ、大勝利やすべての思いがいってしまった。
僕はしばらくただ立っていた。

It's not you can do about it.
It was an accidents.
Just like you.
誰も何もできなかった。
あれは事故なの。あなたと同じ。

It's like mine.
History repeats itself.
僕の場合のように。
歴史は繰り返すんだ。

<情報>
・挿入歌
 スティーブの息子マイケルのリハビリ中にかかるバックグラウンドミュージックは「Pointer Sisters」の「Automatic」。ただし、歌っているのは「Pointer Sisters」ではありません。
・ではオリジナルミュージックは?
 マービン・ハムリッシュ。ロバート・デ・ニーロの「ザ・ファン」とか「オースティン・パワーズ」(この映画って600万ドルのパロディ入ってるけど)の音楽で有名。
・ゲスト
 「マーチン・ランドー」、「ゲイリー・ロックウッド」、「テリー・カイザー」が悪役でいい味を出していますね。
・ポスター
 「外国TV映画読本」(朝日ソノラマ・絶版)のP.156にこのTV映画のポスターらしきものが載っています。(後でコレクションに入れておきます)
・スタートレックとスパイ大作戦の影響
 研究結果にも載せましたが、もともとの「600万ドルの男」のプロデューサーがハーブ・ベネットで「スタートレック」と深い関係があるんですね。ここでもジェミーのカウンセリングの患者がミスタースポックのマネをしています。そして、「スパイ大作戦」の関係も研究結果に書きましたが、「スパイ大作戦」レギュラーの「マーチン・ランドー」が堂々と悪の親玉をやってのけています。
・必殺!手のひら返し
 「スティーブ」の右腕のバイオニックだが、人を投げ飛ばす時、必ず手のひらを使って投げ飛ばしていますね。今回もバーでのケンカシーンで見ることができます。Jackは勝手に「必殺!手のひら返し」と呼んでいるんですが、「スティーブ」ってまず右手を握って敵を倒すってことがないんですね。グーというかパンチは使わないんですね。この辺り、多分相手に気を使っているんですね。バイオニックのグーで本気で殴ったら死んでしまうんじゃないでしょうか?(しかし、ジャンケンしたら最初にチョキ出せば勝てるんじゃないかな〜。なんて。)
・アラモの砦
ラストシーン。乾杯の後、マイケルの仲間達は、アラモ砦を例にあげて長話を始めます。ここで、一言。
ジョン・ウェインの映画「アラモ」をご覧になった方いらっしゃらないかも知れないので、余計な解説をさせてください。
アラモ砦は、1839年メキシコからの独立をめざすテキサス義勇軍が立てこもった砦です。砦に立てこもった全員が玉砕して1836年に戦いは終わるのですが、200人ばかりが立てこもったこの砦の攻略にメキシコ軍は約3000人を動員。かなりの人数が戦死しています。しかも陥落に要した時間は13日。この誤算がもとでメキシコはテキサスとの次の戦いに負けてしまい、結局テキサスの独立を許すことになってしまいます。負け戦と知りながら、捨石となった200人の勇士の中には、デイビー・クロケット少佐(ジョン・ウェインが演じた主人公。そう言えば、映画とは関係のないところで、カラオケでデイビー・クロケットの歌ってありました。)、ウィリアム・トラビス大佐(作戦指揮官の主人公)、ジェームズ・ボウイ(リチャード・ウィドマークが演じてました)と言った有名な人たちがいます。
つまり、少ない人数で結束力が強く頑張っているということを一言で説明するためにアラモ砦の比喩を持ち出したんだと思われます。
リー・メジャースは、西部劇出身であるので、その辺りジョン・ウェインの話を持ち出したのではとも推測されます。

<疑問やエラー>
・「クリス・ウィリアムズ」の死の真相をスティーブは知らなかった?
ブタペストのクリス・ウィリアムズの一件は全容解明が非常に難しいところです。
ゴールドマンと久しぶりに会ったスティーブがOSI復帰に難色を示すシーンで、スティーブは「フォートレスの件では、期待に応えられなかった」と自身を分析しています。日本語訳では、「彼を助けることができなかった」とスティーブは話していますが、英語で聞くと「What's happen?」とスティーブがゴールドマン局長にたずねています。つまり、スティーブは、この後、ゴールドマン局長がどのように亡くなったかを話すまで「クリス・ウィリアムズ」が何故亡くなったのか知らされていなかったことになります。ヒアリング力がないので内容がよく聞き取れないのですが、多分こんな会話では?(尚、英文は多分誤りがたくさんあると思うので参考程度に留めて置いてください。)
スティーブ: You have known (don't want) I have get it guilty.
 僕に責任があると局長はわかっているはずだ。
 (若しくは)僕に責任があると局長は認めたくないようだけど...
局長: You must have your reasons.
 あの時は、君なりにそれなりの理由があったんだ。
スティーブ: Yeah, All work done all rights didn't you get wins up. You didn't get Williams. What's happened?
 そうですね。すべてはうまくいっていた。ウィリアムズの件を除いては。
 局長はウィリアムズを結局取り戻せなかった。
 いったい何が起こったんですか?
局長: One bullet from high powered rifle, it is our cross round. I had no right to ask you go window.
 高性能ライフルの弾が近くで狙っていたんだ。
 君をあそこに近づけさせる権利は私にはなかった。(君にウィリアムズのことを頼む権利は私にはなかった。)

ブタペスト潜入捜査は最初スティーブが頼まれていたのかもしれないですね。何らかの理由で引き受けられなくなって、クリスとジェミーが引き受けたが、アメリカ大使館爆発事件があってクリスは人質になってしまった。スティーブは、クリス・ウィリアムズ救出を局長から頼まれ引き受けるも、救出作戦実行前にクリスは撃たれ死亡してしまったのではないか?とJackは考えています。

・では、「クリス・ウィリアムズ」死亡事件は何年に起こったか?
 同じく、「クリス・ウィリアムズ」死亡事件で、「ジェミー」はストーリーの中盤スティーブに対し、「OSIから頼まれた最初の仕事」でクリスと一緒にブタペストのアメリカ大使館に潜入したが、爆発事故で離れ離れになったと告白していますが、「OSIから頼まれた最初の仕事」は、復活後スティーブと一緒に担当した「カールトン事件」が「最初の仕事」に当たる為、この日本語訳はちょっと違っています。英語で聞くと、「in the year」と言っている様なので、正確には、「あの年にOSIから頼まれた最初の仕事」という意味ではないでしょうか?つまり、「クリス・ウィリアムズ」が亡くなった年に引き受けた最初の仕事という意味でしょう。尚、英語サイトの掲示板には、この事件は1982年に起こったことになっているので、どこかにその辺の詳しい情報があるのではないかと思います。


注:エピソード番号、題記などは、講談社「Film Fantastic 6」より引用している。

*無断転載を禁じます。本内容はあくまで個人的研究結果である為、誤りがある場合があります。
*「600万ドルの男」の画像の著作権は、Universal Studios社にあります。また、その他の引用物の著作権は各社、作者にあります。

           

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