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今まで見た映画って何本ぐらいありますか?
昔は、ビデオカタログとかでチェックしたものなんですが、数え切れないくらいあっていつも途中でやめることになっちゃうんですよね。でも、見た映画一本一本って結構愛着があるんです。
ということで、今まで見た映画の小ネタを発表して行きますので、是非、皆さんも、もう一度その映画を見てください。違った視点から楽しめることもあるかと思います。

第6回 「キャラクター殉職シーンの検証」

外国TV映画フリークの私としては、つい語りたくなってしまうのがTVの刑事ものシリーズなんかで必ずついて回る「殉職シーン」。○○さんの殉職シーン見てからファンになっちゃったなんて人もいるのではないでしょうか...。私はどちらかと言うと見たくなかったですね〜。割とキャラクターに感情移入する方だったので、そのキャラの存在がストーリーから消えてしまうのはこの上なく悲しくさびしいというわけで、特に思い入れの強かったキャラクターの「殉職シーン」はなるべく見ないようにしていたのでした。

さて、製作側から見ると、だいたいは俳優さんとの契約期限切れで、お疲れ様の意味も込めて華々しく散る設定をかますのが意図するところなんでしょう。ところが、お国柄なのかドラマの分類によるのか、この「殉職シーン」は必ずしも『華々しく』なかったりするんです。

(その1:視覚効果の違い)
桜も散り際が一番美しいように、日本のほとんどのTV番組の「殉職シーン」は、殉職する人が白い服を着て、真っ赤な血に染まって倒れるという設定。見事に視覚効果を狙ってますよね。
よく見る時代劇の切腹シーンとかも白装束ですし、やっぱり「殉職者」には「白」がお似合いです。

ところが、これって日本独自っぽい気がします。

アメリカのドラマはそもそも暴力シーンへの配慮から「殉職シーン」がわりと少なめではあるのですが、「殉職シーン」がある場合は、任務遂行途中の死という形が多いんで、別に特別白い服装とかしてるわけではないんです。外国TV映画の場合、シーズンの最後でなくても俳優が降りることもあるんで、先週までむこう張ってたレギュラーが突然普通の格好で殉職ってなことが何度あったことか。キャラクターに感情移入するタイプの私はこの予測のつかない事態にいつも非常に困ったのでした。

(その2:殉職者の人数)
日本の場合、殉職者の人数は少なくなる傾向にあります。おそらく、多人数のグループ行動ドラマから少人数のペア主体の(つまり主人公が死んだらドラマが終わってしまう展開を余儀なくされる)ドラマが増えてきているからなのですが(次回検証予定)、昔は、「太陽にほえろ!」のように、約15年間で11人(うち3人は正確には殉職でない。通り魔、病死、事故死)の殉職者を出すドラマに代表されるように、俳優の交代=キャラクターの死として作ってしまう為、非常に死者が多い傾向にありました。比べて、外国TV映画は「スパイ大作戦」「ヒルストリートブルース」に代表されるように、約10年間で1人程度の割合で非常に少ない傾向にあります。
尚、加えておきますと、日本の場合、子供のヒーローものにもそれが現れていまして、「戦隊シリーズ」なんぞは、1年間〜2年間の間にだいたい1人死者が出る場合があります。(例えば、古くは「ゴレンジャー」の熊野大五郎とか「バトルフィーバーJ」の白石謙作とか。戦隊系は流行のようですね。)

(その3:復活)
ストーリー的には、難しいのですが、死んだつもりだったのに何故か復活するキャラクターもあります。
だいたいはシリーズが好評で続けたいので、人気のあるキャラクターを引き戻してしまったケースがほとんどだと考えられます。この辺は、外国TV映画も共通する要素です。
例えば、日本で言うと、「必殺仕舞人」(必殺シリーズ)の晋松のケース(最後、刺されて死にそうだったのに、「新必殺仕舞人」で見事に復活していた。)。「ザ・ハングマンII」のヨガのケース(IIで殉職したはずなのに、6のゲストで出演するも、またすぐに殉職)。←ちなみに、いずれも松竹製作。外国TV映画で言うと、「バイオニックジェミー」(「「600万ドルの男」で死亡するも、ドラマ自体がスピンオフして独立。最新技術で生き返ったという設定)。「ダイナスティ」(結婚式で全員銃撃されるも、新シーズンではほぼ全員かすり傷程度で復活)。なんで?ってことがドラマではよくよく起きるものです。そう言えば、「スタートレック2」で死んだはずのミスター・スポックも「スタートレック3」で復活していますよね。
でも、私は結構このパターンが気に入っていたりします。^^)だって、お気に入りのキャラクターが復活するとそのシリーズを再び見る気になるというわけです。ただし、復活したキャラクターは、前よりもパワーアップしていないと以前のような存在感がありませんよね。やっぱり、この手の復活劇には、殉職シーンよりも勝る何かしらプラスの要素(力が強くなるとか、特技が増えるとか)が加わって欲しいなあと思います。

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