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歴史人

最終回 遠山金四郎景元 2014年1月号

 遠山の金さんといえば、時代劇などでおなじみの庶民の味方をしてくれる人気のお奉行様です。
 寛政5年(1793)に生まれ、安政2年(1855)に亡くなったといいますが、その2年前の1853年にはペリーの黒船が来航していますから、江戸時代の終焉を飾った名奉行ともいえるでしょうね。
 英樹もこの庶民派奉行が大好きだったようで、1982年から1986年まで足掛け5年もの長い間、金さんを演じてきました。
 そして今回の『高橋英樹の歴史通』では、英樹から見た遠山景元の人物像と共に、主演したテレビ時代劇『遠山の金さん』の制作裏話もたっぷりとお届けします。
 時代考証をしながらも解りやすく格好いい映像になるように、何よりもテレビの前の皆様に楽しんでもらいたいという英樹たちの色々な工夫の数々をお楽しみください。
 今回で『高橋英樹の歴史通』も大団円となります。今までご愛読いただきましてありがとうございました。歴史大好きで好奇心旺盛な英樹のことですから、また様々なメディアで歴史談義を繰り広げると思います。これからも応援のほど宜しくお願いいたします。

第三十一回 毛利季光 2013年12月号

 英樹の演じる役といえば、ドラマの主役!と思われるでしょうが、実はちょっとだけ出演しているときもあります。
 少しだけ登場するけれども大事な役どころや、この役が出ると引き締まるという役です。そういう役だと、軽く演じてしまうのかなと思ったら大間違い。英樹は必ずその人についてできる限り調べていくのだそうです。これは主役級の時も1話だけしか出ない時でも変わらないといいますから、根っからの役者さんなのですね。
 今回紹介するのは、大河ドラマ「北条時宗」で演じた毛利季光(すえみつ)という武将です。主人公である北条時宗の先祖に当たる人物で、元は大江姓を名乗ってました。この大江氏には優れた歌人や学者が多く、昔には朝廷に重く用いられた人物も多数いるとのこと。しかし季光は領地の名から毛利を名乗り、毛利氏の祖となりました。
文人の家系だった大江から毛利を名乗ることで武士として生きる覚悟を決めたのかもしれないと思えば、なかなか骨のある人物です。
 英樹は、この毛利季光という人物にも独特の魅力を感じているようです。詳しくは本誌・高橋英樹の歴史通をご覧くださいね。

第三十回 河井継之助 2013年11月号

 わずか4艘の黒船が来航したことで始まった幕末の動乱には、多くの若者たちが日本の未来を夢見て奔走していました。
 このなかでも未来へのビジョンを持ちながらもサムライの矜持を持ち、後世に大きな影響を与えた人物が、今回英樹が取り上げた「河井継之助」です。
 越後長岡藩に生まれた継之助は、なかでも元服前に藩校で学んでいたとき、後に長岡藩家老になる高野松陰の影響で陽明学に出会い、傾倒していったようです。後に江戸に遊学し、斎藤拙堂、佐久間象山などに学び、長岡藩に帰藩してからは藩政改革に才能を発揮していきました。
 幕末の動乱期には、藩の家老上席になっており、戊辰長岡戦争の軍事総督を務めたのです。新政府軍と旧幕府軍の調停を行うべく奔走したのですが、交渉は決裂し、継之助たち長岡藩は、新政府軍と対決することになったのです。怒涛のように押し寄せる薩長の新政府軍と対決する継之助率いる長岡藩は、巧みな作戦と近代兵器の活用で政府軍の大群と互角に戦いました。
 しかし多勢に無勢、長岡城は陥落し、継之助は会津に向けて落ち延びていく途中でその生涯を閉じたのです。
 文武に秀で陽明学を修め、馬術、槍術に長じ特に砲術の研究にも力を入れていたという多才さと共に、常に己を見失わずしっかりと信念を貫いた生き様は、英樹の好みにもぴったりで、大河ドラマで演じた役のなかでもかなりお気に入りになっているようです。
 英樹の語る継之助。ぜひお読みください。

第二十九回 富樫泰家 2013年10月号

 スポーツなどを見ていると、ついつい劣勢になったほうを応援してしまうことを「判官贔屓」といいますが、この判官は、もちろん九郎判官・源義経のことですね。この悲劇の武将を扱った物語は現代でも人気を保っています。
 義経は藤原秀衡を頼って奥州へ逃亡する途中、安宅の関の守護・富樫泰家に疑われたのですが、「是は東大寺勧進の山伏にて候」と、有名な「勧進帳」の大芝居を打って窮地を脱することができました。
 英樹が演じたのは、この富樫泰家です。弁慶必死の大芝居に、義経主従と気付きながらも知らぬふりをして関所を通すところが見所となっていますが、果たして本当にこんなことが起こったのでしょうか?
 富樫泰家を演じた英樹が考えた安宅の関の顛末について、そして日本人の心の琴線に触れる「武士の情け」について語っています。今月もお楽しみください。

第二十八回 清水次郎長 2013年9月号

 幕末から明治にかけて、駿河国(今の静岡県中東部あたり)を中心に豪快な生き様で有名な親分といえば、清水の次郎長です。
 江戸時代末期の文政三年(1820)から文明開花を経て明治二十六年(1893)に亡くなるまで、清水湊に一家を構えた侠客として、弱きを助け強気をくじく任侠道を貫きました。そして今でも次郎長一家として有名な二十八人衆と共に、浪曲や小説、映画などで広く親しまれています。
 英樹は1991年の12時間超ワイドドラマ「次郎長三国志」で清水の次郎長を演じています。武士とは違った所作や殺陣を演じ分けていますので、機会があったらそのあたりもチェックいただけると、さらに楽しく見ることが出来ますよ。
 そして今回の歴史通では、そんな侠客・清水次郎長について、英樹が感じたいろいろなことを語っています。広沢虎造さんの渋い浪曲を聴きながらお読みいただけると、さらに気分が盛り上がるかもしれません。英樹の語る次郎長親分をお楽しみに。

第二十七回 鞍馬天狗こと倉田典膳 2013年8月号

頭巾姿がトレードマークの鞍馬天狗。時代劇大好きな男性なら子供の頃に一度は鞍馬天狗ごっこをして遊んだ経験があるのではないでしょうか。
 嵐寛寿郎さんをはじめ、多数の俳優が演じてきたヒーローですが、もちろん英樹も1969年に演じました。
 大佛次郎先生の小説が原作の人気作品ですが、英樹が演じた時には先生ご自身が撮影所まで来られたそうです。そして英樹が得た鞍馬天狗の姿とは...。
 倉田典膳は、鞍馬天狗の中だけの実在しない人物なのですが、細かいところまで設定が考えられいたことで実在したかのような存在感があったといいます。また、『典膳』の読み方で『てんぜん』と『でんぜん』の2種類があるようですが、大佛次郎記念館の研究員の方から『てんぜん』が正しい読み方であると教えていただきました。
 大衆小説の枠を超えた深みがある。と英樹が言う大佛次郎先生の鞍馬天狗。もう一度読み返してみるのも面白いかもしれませんね。

第二十六回 間瀬正明 2013年7月号

江戸時代から定番の演目に忠臣蔵があります。主君の無念を晴らすために艱難辛苦を乗り越えて仇討ちを成功させた赤穂藩の武士たちの物語は、時代を超えて人気を保ってきました。仇討ちの物語はもちろんですが、四十七士と彼らを取り巻く人物たちをめぐる様々なエピソードも楽しみのひとつです。
 英樹もテレビや舞台など様々な場所で忠臣蔵に関わる人物を演じてきました。実在した大石内蔵助、柳沢吉保はもちろんのこと、ドラマならではの架空の人物、編笠十兵衛での赤穂浪士を影から見守る公儀隠密・月森十兵衛をご存じの方も多いでしょう。また、ぶらり信兵衛道場破りの最終回でも赤穂浪士とのカラミがありましたね。
 そんな英樹が演じた赤穂浪士の一人に間瀬久太夫正明があります。赤穂藩大目付で禄高は二百石。浪士になってからは医者となって吉良家の探索を行っていたそうです。もちろん見事に討ち入りの本懐を果たした人物ですが、英樹は、この人物のどこに魅力を感じ、どのように演じたのでしょうか?今回もなかなかマニアックな人物を英樹ならではの視点で語ってくれます。お楽しみに。

第二十五回 坂崎直盛 2013年6月号

戦国時代、まだ日本がまとまっていなかった時代の武士たちは、今の私たちの想像を超える「武士の意地」とも言えるプライドを持っていて、それが彼らの行動の基本になっていたようです。
 明らかに不利な状況でも怯まずに、意地を通して散っていった武士の逸話も多く残っていますし、そこに何とも言えない格好良さを感じる歴史ファンの方々もたくさんいらっしゃいます。
 今回取り上げるのは、英樹が1971年に大河ドラマ「春の坂道」で演じた坂崎直盛という武士です。信長や秀吉、家康などに比べれば知名度は下がりますが、戦国時代の気風を持った頑固で不器用な性格で、後年の評価は様々ですが、しっかりとした武士の矜持を持った人物だったようです。
 大阪夏の陣で起こった有名な千姫の救出を通じて、彼を演じてわかった直盛の魅力を英樹がたっぷりと語ります。
 やはり個性の強い役を演じることは、役者魂をゆさぶるものがあるのでしょうね。英樹の語る武士の意地。お楽しみください。

第二十四回 奥州藤原氏 2013年5月号

日本の歴史をみるときには、自然と京都を中心に考えてしまいますが、奥州藤原氏は、東北の地に立派な国を作り上げた素晴らしい一族でした。しかも産出される金銀は、遠くヨーロッパの歴史にも影響を与えたとさえいわれているのですから、奥州はもっと注目されても良いのではないでしょうか。
 さて英樹はNHKの大河ドラマ「義経」で藤原秀衡を演じました。もちろん、役作りをするために東北旅行をしたそうですが、改めて奥州藤原氏のすごさを実感したと言っていました。
 残念ながら藤原氏は藤原泰衡の時代に滅んでしまいましたが、今回の英樹は、この3代に渡って東北に一大文化圏を作り上げた藤原氏について語っています。
 春分も過ぎて旅行に良い季節となりました。今年はお気に入りの歴史本などをお供に東北歴史旅行も楽しいですね。

第二十三回 一橋慶喜 2013年4月号

日本が大きく変わったのは、徳川幕府が終わって大政奉還を行い明治時代に移った一時期が最も激動の時代だったといえるでしょう。
 徳川幕府の最後を勤めた将軍は、ご存知一橋慶喜です。この慶喜ほど評価の分かれる将軍はいなかったでしょう。今回は英樹がこの一橋慶喜について語っていきます。
 動乱の幕末から明治は、数々のドラマが生まれていますが、英樹もたくさんの役を演じました。薩摩の島津斉彬、島津久光。戊辰戦争で有名な河井継之介。もちろん一橋慶喜も演じています。色々な立場から幕末を感じてきた英樹は、慶喜を好意的に評価しています。数百年続いた徳川幕府という旧態にとらわれず、しなやかに時代を感じ取った慶喜という人物が結構好きなのかもしれませんね。

第二十二回 前田慶次郎 2013年3月号

世の中には自由闊達に生きていて、うらやましいなぁ。と思う方が時々いらっしゃいますが、戦国時代から江戸時代でのそういう人たちを傾奇者と呼んでいました。その傾奇者の代表選手といえば、前田慶次郎ではないでしょうか。
 異風を好み、派手な衣装に身を包み、常識はずれの行動に走る者のことなのですが、それだけならば単なる無頼漢でしかありません。
 ところが前田慶次郎は教養のある才人であり、一本筋を通す熱血漢でもありました。慶次郎が書いたといわれる『前田慶次道中日記』には和歌や俳句などもあったといいますから、本当に風流な人物でもあったのでしょう。このあたりが英樹の好みに合ったのかもしれませんね。
 英樹演じる前田慶次郎を、舞台で堪能された方も多くいらっしゃるでしょう。できれば映像化してもっとたくさんの方にお楽しみいただきたい......そんな魅力的な人物です。
 英樹の語る前田慶次郎、ぜひお楽しみください。

第二十一回 殺陣 2013年2月号

英樹の時代劇といえば殺陣です。毎週見せ場になると颯爽と現れ、待ってましたの決めゼリフ!テーマソングが流れ始めると、それを合図に何十人もの悪者をバタバタと切っていくという演技にスカッとされた方々も多いのではないでしょうか。
 この殺陣を演じる役者さん達がいればこそは英樹の演じる主人公が光り輝くのですから、本当に切っても切れない間柄なのです。
 そしてこの役者さんたち、映像では悪そうな風体をしていますが、実際は穏やかで優しい殿方たちで、もちろん演劇が大好き。ですから休憩時間になると、いつも英樹たちは演技の打ち合わせや殺陣の工夫などの相談などで盛り上がって楽しそうです。
 とはいえ、時代劇を綺麗に演じるには相当の修練が必要で、素人だと立って歩くだけで即座にダメが出てしまうほど。一挙手一投足にもそれなりの所作がありますから、悪役の集団に入るだけでも大変です。それでも頑張って段々上達して英樹と刀を交えられたときの感激は言葉に出来ないほどだそうです。
 今回は、そんな時代劇の殺陣の世界をご紹介です。ご堪能ください。

第二十回 江戸の史跡 2013年1月号

最近は、お城や史跡を巡るのがブームになっています。日頃の喧噪を離れてゆっくりとお城を眺めるのは、とても癒やされる時間です。しかし、歴史好きな方々は漫然と眺めていてはおりません。『やはり日本建築の美しさが良い!』とか『いやいや、全体の縄張りを歩いてこそ』、『その土地の民俗・芸能や料理などが魅力ですね』などなど……上級者の皆様は一言持っていらっしゃいます。
 英樹も忙しい時間の合間に史跡を訪ねて楽しんでいます。地方ロケのときはもちろんですが、東京から離れられないときでも、ちゃんと史跡探訪ができるスポットがあるんですよ。
 今回は、そんな英樹お薦めの「江戸の史跡」と、楽しみ方をご紹介します。
 もうすぐ新年です。平成二十五年の初詣には、ぜひとも英樹流史跡巡りを試してはいかがでしょうか。いつもお参りしている神社が新鮮に見えてきますよ。
 今回はとても実践的な内容の歴史通です。お見逃しなく。

第十九回 平清盛 2012年12月号

日本の歴史で徐々に日本が形作られてきた平安時代、その末期を彩るのが最初の武家政権ともいえる平氏の登場でしょう。
 その平氏を代表する人物が平清盛。今回のテーマはこの清盛について英樹が語ります。
 とはいえ、英樹が演じたのは清盛ではなく、宿敵ともいえる後白河法皇。これがなかなか難しい人物らしく、英樹も役作りに苦労したようですが、さすが英樹、絶妙の役作りで大好評だったとか。
 その後白河法皇や公家たち貴族から見た武士の平家とは?そして平清盛とは?英樹ならではの視点で、ユニークな清盛像を紹介してくれますよ。
 今月も絶好調の歴史通、お楽しみに!

第十八回 徳川家康 2012年11月号

時代劇の主な舞台といえば、群雄割拠の戦国時代と、260年あまりも続いたご存じ江戸時代ですよね。
 今でも生きている日本文化は、そのほとんどが江戸時代にできあがったとも言えるほど、重要な時代でもありました。
 歌舞伎や落語などの芸能や、ひな祭りや端午の節句などが一般民衆まで広まっていきました。さらに蕎麦、寿司、てんぷら、うなぎの蒲焼きなどの屋台(ファストフードですね)も江戸時代に始まったものです。平和な時代だからこそ花開いた楽しい文化ですね。
 この江戸幕府を開いた徳川家康ですが、他の武将と比べると、なんとなく...地味でもあります。しかし、英樹は家康をとても評価しているんですよ。
 そして、英樹と家康共通のオタク趣味とは?
 今月も歴史大好きな英樹がたっぷりと語ります。お楽しみに!

第十七回 高野山 2012年10月号

日本各地にある名刹・古刹や史跡は、そこにいるだけで気分が落ち着いたり安らかな気持ちになったりするものです。現代の若い方々の間ではパワースポットと呼ばれて、特に女性たちに人気があるのです。そしてこのパワースポットとして、また歴史好きな方々のお奨めとして関西地方で人気の高い場所が、高野山です。
 千年以上前に弘法大師・空海が修行の場として開き、仏教の聖地としても有名な場所ですが、「高野山」という山はなく、八つの峰に囲まれた地域を総称して「高野山」と呼んでいるのだそうです。
 今回の英樹は、この高野山を訪れたときのことなどを楽しく語っています。
俳優・英樹ならではの視点で見た高野山の魅力は、さすがに一味違いますよ。歴史通・英樹が感じた高野山、ぜひお楽しみください。

第十六回 剣豪 2012年9月号

時代劇で殺陣を演じるといっても、任侠道に生きる男から源平時代の武士、戦国時代の武将から平和になった江戸時代のお侍などなど、どれも個性的で魅力ある人物ですし、刀もそれぞれの役柄用のものを使いますから寸法もマチマチです。
 さらに脚本によっては、落ちている木の棒で受ける!などもあるのですが、英樹はそれを見事に演じ分けてしまうのです。
 撮影現場で見ていると、サラッと演じているよう見えるから、簡単にできそう...と思ってしまいますがコレが大間違い。腕の上げ下ろしだけでもちゃんと所作があるんですよ。そんなことを教えてもらうと、さすがに50余年のキャリアは物凄い!と感動してしまいます。
 さて、そんな英樹の殺陣のなかでも一際重厚なのが、名高い剣豪を演じたときでしょう。  宮本武蔵や荒木又右衛門、柳生宗矩など、剣一筋に生きた男たちは、家康や信長などの武将とは違った魅力にあふれています。
 今回はそんな剣豪を演じたときのことをたっぷりと語っています。あの役ではそんなことを思っていたのか...など、ここでしか読めないことが満載です。ぜひお楽しみくださいね。

第十五回 島津斉彬 2012年8月号

時代劇で薩摩藩といえば薩摩隼人ですね。大胆で元気いっぱいなイメージがあります。剣劇がお好きな方なら一撃で勝負を決めるといわれる「薩摩示現流」などを思い浮かべるてワクワクしてしまうのではないでしょうか。なんにしても男っぽい感じですが、勢いだけで薩摩で暮らすことは出来ません。
 シンボルともいえる桜島は、2万年以上前から活火山として活動を続けていて、火山灰などの影響で農業には厳しい環境です。しかも江戸から遠く離れた外様大名ですから、参勤交代をはじめ、やりくりに苦労をしていたようです。
 そんな土地だからこそ、めげずに大らかな薩摩隼人たちの元気いっぱいな性格が生きたのでしょう。奄美の砂糖や薩摩芋など、土地に適した作物の工夫や、鎖国状態にもかかわらず、他国との貿易もちゃっかりしていたというのですから、なかなかどうして、頭の回転も良く、しかもしたたかです。
 さて、英樹が演じた薩摩の人物は、島津久光と島津斉彬の二人です。
 実はこの二人、異母兄弟です。斉彬が兄、久光が弟で、共に激動の幕末期に薩摩藩のために尽力したのです。
 今回は、実際に演じてみて感じた島津家の二人について、英樹が思い切り語ってくれますよ。同じ藩士で兄弟なのにこんなに違う斉彬と久光のお話。どうぞお楽しみに!

第十四回 忠臣蔵 2012年7月号

時代劇といえば?という質問で必ず出てくるのが「忠臣蔵」でしょう。
 無念の最期を遂げた主君の仇を討つ赤穂浪士たちの物語は、元禄時代から練りに練られ、浅野内匠頭と吉良上野介の因縁から、松の廊下での刃傷、そして切腹。その後の赤穂城開城、江戸での雌伏のときを経てクライマックスの討ち入りまで、どの場面でも拍手喝采の面白さで、舞台や映画で広く愛されてきました。
 そして現代でもテレビの大型時代劇などでおなじみのタイトルになっています。英樹は大石内蔵助と、内蔵助に敵対する幕府の重鎮・柳沢吉保も演じているんですよ。
 ご存知のように、俳優は自分の演じる役については、納得が行くまで調べていきます。ですから英樹も忠臣蔵という物語を様々な人物の立場から見てきたのです。
 そんな英樹が感じた「忠臣蔵」とは?そして未だに衰えない人気の秘密は?
 今回も英樹が思う存分に語ってくれます。お楽しみに。

第十三回 本能寺 2012年6月号

歴史好きが集まれば歴史談義に花が咲きますが、やはり盛り上がるのは歴史ミステリーでしょうか。
 邪馬台国はどこにあったのか?という有名なものから各地に残る鬼や妖怪の伝説など、様々なミステリーがありますが、その中でも「本能寺の変」は、最大級と言えるでしょう。
 混乱の戦国時代を統一するかに見えた織田信長ですが、臣下の明智光秀によるまさかの裏切りにあい、本能寺で壮絶な最後を遂げてしまいます。しかも光秀も数日後に討たれ、なぜ信長を討ったのか?の真相は謎に包まれてしまいました。
 現在でも、諸説入り乱れた討論が続いていますが、歴史好きにしてみれば、想像力を存分に発揮できるミステリーは大歓迎ですね。
 今回は国盗り物語や12時間ドラマなどで何度も織田信長を演じた英樹が本能寺の謎について語ります。
 日本の歴史を大きく変えた本能寺の変、このミステリーをもう一度考えてみるのも面白いですよ。

第十二回 古地図 2012年5月号

21世紀、時代の先端を走っている東京ですが、江戸時代から愛されている地名もまだまだ多く残っています。
 浅草、両国、銀座、半蔵門、高輪などなど、小さな町名や坂の名前などもたくさんあります。そんな江戸の雰囲気を尋ねるための相棒が古地図です。
 江戸時代は浮世絵などで印刷が盛んに行われましたので、地図もカラフルで楽しいものがたくさんありました。現在では復刻版などで比較的簡単に手に入れることが出来ます。
 英樹は時代劇を演じるための勉強も兼ねて古地図に楽しんでいたそうです。
 たとえば八丁堀の組屋敷から奉行所までどんな道を通ってどのくらい歩くのか?知っているのといないのでは演技が『違うねぇ...』だそうです。  お散歩にはもちろん、見ているだけでも楽しい古地図ですが、注意点をひとつ。それは「地図の北は必ずしも上ではない」ということです。
 方位磁石で南北を知ることや地球は丸いこと、日本は北半球にあるなどということは一般庶民は知らなかった時代ですから、西方浄土のある西を上にしたり、太陽のある南を上にした地図もあったようです。これを知らないとアタフタしてしまうことがありますからご用心。ですよ。
 これから暖かくなる季節です。粋に江戸散歩というのも楽しいですね。

第十一回 時代劇 2012年4月号

高橋英樹といえば時代劇!これはもう皆さんも納得です。まず見栄えがします。もちろん殺陣が格好良い。さらに、2枚目だけでなく、オチャメな2枚目半の演技も楽しみですよね。
 時代劇を撮影しているときの英樹は、本当に楽しそうです。江戸時代はもちろん、奈良・平安時代や、幕末から明治時代まで、現代とは違った夢のあるお話を演じることが出来るのが楽しいのでしょうね。
 しかも、撮影の合間には、共演する役者さんやスタッフの人たちと歴史談義に花が咲いていて、これがまた面白いんです。ちょうどこの高橋英樹の歴史通の内容をそのままいつもの楽しい英樹がフリートークしていると思ってください。
 もちろん、時代劇を作っている人たちですから、話し相手の方々もなかなかの歴史通ぞろいです。大盛り上がりになったりするのも珍しくありません。
 そんなステキな時代劇の世界、それを演じる魅力を英樹が思い切り語ってくれます。
 今回の歴史通も、見逃せませんよ!

第十回 三国志 2012年3月号

英樹が語る日本の歴史、今回はちょっと視点を変えて、お隣の国、中国の古典がテーマです。
 日本と中国はふるーいお付き合いです。その昔、中国にある最先端の文明を手に入れようと、遣唐使や遣隋使と呼ばれた使節団が何度も海を渡って中国へ向かいました。もちろん、一攫千金を夢見て密かに海へ乗り出した商人や海賊たちもいたことでしょう。
 その結果、便利な道具や刀剣、そして美術品や書物などなど、様々なものが中国から伝わってきました。
 そして今でも親しまれているのが、「中国四大奇書」と呼ばれる物語、「西遊記」「水滸伝」「金瓶梅」そして今回のテーマでもある「三国志」があります。正確には「三国志」は歴史書で、劉備や関羽、張飛たちが大活躍する小説は「三国志演義」というのだそうですが、一般には「三国志」で通じますね。
 登場する武将は、皆しっかりとした信念を持った個性豊かで素晴らしい「イケてる男たち」です。その武将だけでも四百人以上、総登場人物千人をはるかに超えるという壮大な物語は、少年時代の英樹のハートをガッチリ掴んでしまいました。そして還暦を過ぎた今でもワクワクしながらドラマを楽しんでいるそうですよ。
 さて、そんな英樹が語る三国志の魅力、そして三国志でぜひ演じてみたい武将は?
 今回も熱い語りが最高に楽しい「高橋英樹の歴史通」。ぜひご覧くださいね!

第九回 城 2012年2月号

時代劇になくてはならないものが「お城」です。お城のある土地へ旅行すると、うれしくなりますよね。
 壮麗な白亜の天守も素敵だけれど、黒漆塗が力強い烏城も捨てがたいよね。などとお城談義にも花が咲こうというものです。
 このお城、戦の多かった時代には、自軍の領土を守るための軍事拠点としての色彩が強く、砦と呼んだほうがふさわしい無骨なものだったようです。
 しかし時代が進み、室町時代後半あたりから天守や石垣などが作られ、私たちにおなじみの「お城」の体裁が整っていきました。
 日本で作られた城の総数は、二万とも二万五千とも言われていますが、現存するものはほんのわずかになってしまいました。
 でも、それらは補修・復元されたり公園や博物館などの公共施設に利用されたりして、多くの人に親しまれています。
 英樹はもちろん、時代劇のロケでお城には大変お世話になってきました。お殿様や武将としてお城を眺めると、ちょっと違った見え方があるようですよ。
 また、歴史大好きな英樹ならではの「お城で注目するトコロ」を大公開。なかなかマニアックな視点なので、皆様もぜひ参考にしてみてください。次にお城を尋ねたときに楽しみ倍増ですよ。ご期待ください。

第八回 坂本龍馬 2012年1月号

幕末を駆け抜けた自由人・坂本龍馬。その天衣無縫の生き様は、ご婦人方はもちろん、色々と苦労の絶えない現代の殿方たちにも高い人気があります。
 英樹は、1968年の大河ドラマ「竜馬がゆく」で、土佐勤王党を結成して活躍した武市半平太を演じました。
 ちょうどテレビ放送が本格化してきた時代です。英樹も映画俳優からテレビドラマにも活動の幅を広げ、初めて出演した大河ドラマでした。
 この半平太という名前ですが、妙に軽やかで、現代的でもあります。本名なのかな?と思い調べてみると、「半平太」は通称で、諱は「小楯」。雅号を「瑞山」といい、人物辞典などでは「武市瑞山」で登録されています。
 今と違って江戸時代以前、武士の名前は複数持つことが一般的だったようです。現代で使われている名前は「諱(いみな)」と言って、軽々しく他人には教えず、通常は官職名や受領名などを記した通称か、今で言うペンネームのような雅号を使っていました。
 半平太たちの土佐勤王党に敵対した山内容堂も、「容堂」が雅号で、他に諱「豊信」、字「璋」、通称「輝衛・兵庫助」などいくつもの名前を持っていました。
 しかし、この慣習も明治時代になって、しっかりとした戸籍制度が出来てからは、苗字+本名という現代の方式に統一されていったのです。
 260年以上も続いた江戸時代から、世界への扉を開いた近代へ...時代の変革期を思い切り生きた若者たちを、英樹が熱く語ります!ぜひご覧ください。

第七回 坂の上の雲 2011年12月号

1968年(昭和43年)から1972年(昭和47年)にかけて新聞に連載されて大評判となった司馬遼太郎の「坂の上の雲」。
 その壮大な物語は、映像化が不可能といわれ続けていたのですが、2009年よりNHKで、21世紀スペシャル大河ドラマとして放送されています。
 英樹ファンならもちろんお楽しみいただいていらっしゃるでしょうが、英樹が演じる児玉源太郎、素敵ですよね。
 しかしさすがに超大作といわれるだけのことはあり、撮影は大変の連続でした。1分に満たないシーンに丸1日を使ったりすることはもちろん、真夏に真冬のシーンを収録したり、空調を切って蒸し風呂のような中で撮影したりと、文字通り戦場さながらの制作風景が繰り広げられたのです。
 おかげさまで、素晴らしいドラマに仕上がったのですが、その中でも素晴らしいのは、明治時代の軍人たちの格好良さです。
 彼らは、幕末の動乱を経験してきた最後の武士といえる人たちです。圧倒的ともいえる世界の列強各国とサムライの矜持を胸に、堂々渡り合ったのですから、見事としか言いようがありません。
 今回は英樹が感じた、坂の上の雲で描かれた世界を語ります。たっぷりとお楽しみくださいね。

第六回 宮本武蔵 2011年11月号

 歴史上の人物にヒーローと呼べる人は数多くいましたが、誰もが納得する二刀流の達人と言えば…そう!宮本武蔵!
二刀を操る独特の二天一流は不思議な魅力があって、男性なら子供のころ一度は真似をした経験がおありではないでしょうか。
 小説や映画など、たくさんの作品が作られていますが、もちろん英樹も宮本武蔵を演じたことがあるのです。数々の名優が演じてきた宮本武蔵を、英樹はどう思ってどのように演じたのでしょうか。
 数多くの試合に勝利し、幾多の修羅場を経験してなお生き残ってきた武蔵の強さの秘訣とは?英樹が考えた武蔵像を語ってくれます。

 この国民的剣豪・宮本武蔵は、剣だけではなく、水墨画や工芸、書などでも優れた作品を残しているのですから、大変な人物です。
 でもこれって、半世紀も俳優で活躍しつつ、書や墨彩画でも素敵な作品を発表している英樹にそっくり。
 一芸を極めると諸芸に通じる。というのは本当にありそうです。英樹の魅力はもっと出てくるかもしれませんよ!

第五回 新選組 2011年10月号

時代劇の中で、戦国時代と共に人気がある時代が幕末です。そして幕末といえば新選組!京都の町を警護した熱い男たちが今回のテーマです。
 この新選組という名前ですが、「セン」の文字が2種類あり、「新選組」と「新撰組」のどちらも使われていた記録があるのだそうです。
 こういうときには、漢字の源を調べてみたくなるもの。「字統」という字源辞典を調べてみると、「選」は揃って舞う意味で、「えらぶ」「すぐれる」という意味にもなる。その舞楽を神に献ずることを「撰」というのだそうです。
 詩歌集などを選ぶ人も「撰者」というそうですから、同じ選ぶということでも、ちょっと改まった特別な感じがします。
 江戸時代の武士たちは漢文などをたくさん勉強していましたから、この「選」と「撰」も相手によって使い分けていたのかもしれませんね。
 さてこの新選組、なぜ今も高い人気を保っているのでしょうか?...英樹が感じた魅力は?そして、英樹と新選組の不思議な関係とは?今回の「高橋英樹の歴史通」では、そんな英樹の楽しい話がいっぱいです。ぜひお読みくださいね!

第四回 合戦 2011年9月号

日本の歴史の中でも数々の華々しい逸話を生んだ戦国時代。今回は戦国武将たちが全てを賭けて挑んだ「合戦」のお話です。
 双方が武力で雌雄を決する合戦ですが、武器が同じならば、戦力は兵士の数の二乗に比例するといわれています。数が多いほうが勝つ。というのが法則なのだそうですが、もちろん、実際はそんなに単純なものではありません。
 相手より素早く動ける騎馬軍団や圧倒的な威力の鉄砲部隊などを活用することで不利な形勢を一気に逆転した例や、忍者やスパイなどの情報から、相手の意表をついた手を打つという情報戦・頭脳戦など、今でもドラマや舞台、小説などで語り継がれる武勇伝がたくさん生まれたのです。
 英樹が熱く語る今回のお話も、そんなワクワクするエピソードが満載です。

 さらにドラマで大乱戦のシーンを撮影したときの苦労話もありますよ。たくさんの知将、猛将たちを演じてきた英樹ならではの、今だから笑って話せる合戦秘話(?)をお楽しみにね!

第三回 司馬遼太郎 2011年8月号

おかげさまで好評の連載、第三回目は、歴史小説家といえば、まずはこの方!司馬遼太郎です。
 歴史好きの方はもちろん、ほとんどの方がご存知の国民的作家であります。もちろん英樹も大好きで、ロケの待ち時間などに質問すると、延々と語ってくれます(笑)。
 NHKの大河ドラマで司馬作品を最初に演じたのは、本文にもあるとおり「竜馬がゆく」の武市半平太役でしたが、実はこの作品、白黒放送最後の大河ドラマ作品だったんですよ。翌昭和44年(1969年)の「天と地と」からはカラーで放送されているんです。
 12月に第3部が放送予定の「坂の上の雲」も、地上アナログ波から地上デジタル波にまたがって放送されていますから、英樹は放送の歴史と共に、また司馬作品と共に活躍してきたとも言えるでしょう。
 そんな英樹から見た歴史小説家・司馬遼太郎の姿をお楽しみください。

第二回 織田信長 2011年7月号

高橋英樹が演じてきた日本史を彩る偉人たち、第二回目はご存知!織田信長です。
 戦国時代の三英傑のひとりとして乱世を収束に導いた、日本人にはおなじみの武将です。「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」などという物騒なことを言われるように、強烈な武闘派の印象をもたれがちですが、囲碁や和歌に興味を持ち、敦盛などの舞を好んだり、遠く西洋も集めていたという、なかなかの知性派でもあります。
 さらに街道の整備を積極的に行ない、経済・流通の自由化も積極的に行うなど、政治家としてもなかなかの手腕を発揮しました。
 そういう天才的な武将を大河ドラマで1年間も演じた英樹の心のうちはどうだったのでしょうね?
 くわしくは、6月11日発売の歴史人7月号でお楽しみください!

第一回 児玉源太郎 2011年6月号

 俳優活動50年を越えた今でも現役で活躍している英樹は、本当に俳優として演じること、そして演じる歴史上の人物たちが大好きです。
 英樹は役が決まると、その人物の資料を読むことはもちろん、出来る限り時間を都合してその人物ゆかりの土地を訪ね歩きます。そうすることで、感覚として自分ならではの人物像を持つことが出来るといいます。
 そういう準備を重ねて練り上げた人物を演じきったときの気分は...「最高だよ!役者の醍醐味ってやつだね!」だそうです。
 そんな俳優ならではの視点で毎回自身が演じた歴史上の人物を語っていく連載「高橋英樹の歴史通」は、英樹ならではのユニークで面白い話を存分にお楽しみいただけます。
 あのドラマではこんなことを考えていたんだな。とか、なるほど、この武将には、こんな見方もあったのか!などと楽しんでいただければ幸いです。
 連載第一回は5月12日発売の歴史人6月号に掲載されます。取り上げる人物は、英樹ファンならよーくご存知の「児玉源太郎」!100年に一人の知将と言われ、軍事、政治、教育等あらゆる分野に非凡な才能を見せた類まれな人物です。
 実に超人的で完璧に思える人物ですが、英樹は何を考えてどう演じていたのか?自身の筆で語ってくれます。これは見逃せませんよ!
 どうぞご期待ください!

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